飲み屋に「茶人的老人」がおり、二三言葉を交わしたところ、
ぎんなんは、からすみと食べるとよろし。 又からすみは、ぎんなんと食べるがよろし。
という謎の文言を投げかけられまして、聞けばこういう事でした。
秋口とれたてのぎんなんを用意したいところですがね、今は年中出回っておりまして、ぜひ殻付のものを用意します。
何か固いもので鬼殻を割り、実を取り出します。 薄皮はつけたままで構いません。
弱火で鍋をゆすりながらコロコロから炒りします。 ぎんなんは次第に鮮やかな青味を帯びてくるでしょう、と書きたいところでしたが、採れたてのものでないと真っ青にはなりません。
塩ひとつまみ、酒少々をふりかけて炒りあげます。
炒りあがったら、乾燥したフキンを用いてひとつひとつ薄皮をむきます。
むいた後、何粒か指先で軽くひねっておくと、盛り付けの際座りよくなります。
あとはからすみを切り分けて、ぎんなんと一緒に盛り付けるだけです。
で、ぎんなんをつまみますよね。 はい確かな美味しさです。 続いてからすみをつまみますと、酒を一杯進みたくなります。
続いて今度はぎんなんをつまみますと「ハテこの味はなんつーかこう、覚えがあるような・・・あ!」
ぎんなんの食感と味が、まるでからすみなのです。
得した気分です。 それに気づいてぎんなんとからすみで酌み交わすうちに、一体自分が今口にしているのはからすみなのかぎんなんなのか、釈然としなくなってくるのです。
ぎんなんを酒と塩で煎り、からすみと共に肴とする。
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15/02/10