もつ鍋を美味しく作るたったひとつのコツは、丸腸を多用する事!
という主張を十五年続けておりますが、今後も一切撤回するつもりはございません。
三年前から目をつけていた焼肉店へ、昨日ようやく行くことができました。
店に入る前は、二階まで煙がもくもく立ちこめている様子が見えて、やや不安を覚えていましたが、店内は意外にも清潔で楽しく飲む事ができました。
肉に「たれ」を一切用いないのが特徴的で、全ての肉にほんのり塩味がついています。
だからでしょうか、腹一杯食べてきたのにこうして書いている今、まったくモタレがありません。
店の名物と謳われていたのがホルモン煮込みで、普通コッテリ濃い味がウリなホルモンも、 ワビサビの効いたこの店にかかるとアッサリお澄まし仕立てでした。
上品なんですよね。 そしてなんと、ニンニクを用いない!
代わりにささやかな生姜の薫りを放ちます。
さらになんと、丸腸を用いないのです。
丸腸はおろか、シマ腸やハツといったクセの強い部位は一切使われておらず、九割がたセンマイで構成されている煮込みでした。
だからひたすらアッサリなんですね。
センマイの食感は固すぎず柔らかすぎず絶妙で、煮加減にも気を使っている様子を伺えます。
そもそもセンマイはクセがありませんから、普段ホルモン系に必要な一度茹でこぼして臭みや余分な脂を落とす。
という工程が必要ありません、いきなり煮はじめます。
まず鍋にかつおだしを注いで刻んだ生姜を入れたら火にかけます。
みりんと醤油を加え、沸いたらホルモンを投入して一時間中火で煮込みます。
煮込むのが一時間以下だとホルモンは固すぎ又、それ以上煮ると食感がなくなり面白くありません。
ですからキッチリ一時間煮込む事を心がけます。
器にとり、スープを張ったら刻みネギを山盛りします。
これもアッサリな理由ですね。 好みで七味でも散らし、おつゆをススッてはホルモンにかぶりつきながら呑む、という行為を延々くり返します。
19/06/08