カミさんが、 この前行った洋食屋のコンソメスープがウマカッタウマカッタと呪文を唱えるかのようにつぶやくのでカンタンにコンソメスープを作って黙らせたいと思います。
コンソメスープを作る前にまず言っておきたいことがあります。
それは「トリガラスープは相当おいしい」ということです。 鳥鍋に書きましたが、 丁寧に抽出したトリガラスープを器に注ぎ、 塩少々と白髪ネギでスープに仕上げるとかなり満足度の高いスープになります。
洋食屋の主人はコンソメスープに自分の持てる力全てをこめて挑むといいます。 そのような手間はかけようにもかけることができませんし、 ここはひとつトリガラスープで我慢してもらいたいな、とも思うのですが、カミさんの願いぐらいかなえてやりたいのです。
さて、大鍋にトリガラ一羽分を放り込んでください。
ニンジンを半分放り込みます。
タマネギを半個ほうりこみます。
セロリを一本放り込みます。
パセリの茎を2、3本ほうりこみます。
ニンニクを2、3カケラほうりこみます。
月桂樹を2、3枚ほうりこみます。
そしてここで、卵白を2、3個分加えるのです。 どうしてここで卵白なのでしょうか?
答えです。 卵白は、アクや脂肪分を包み込んで固まるという大変都合のよい特技を持っているのです!
コンソメスープは透明度が高いほど価値があるとされます。 たとえ味が複雑で濃厚でも、皿の底まで透き通っている事こそが値打ちです。 だからコンソメスープと卵白は切っても切り離せない関係になるのでした。
ポイントは煮立てずゆっくり卵白を凝固させてゆく事です。 かき混ぜすぎたりしても卵白が砕けて濁りの一部になったりしますのでやさしくどうぞ。
※卵黄はその他の料理に活用してください。 ユッケや納豆ご飯に落とし込んだりして。
ここで禁断の手を用います。 市販の固形コンソメの素を何気に一つ取り出して、何食わぬ顔をしながら放り込んでおきます。 コンソメスープをきちんと作るには相当な労力が必要ですから市販品にたよってしまうわけです。
これさえほうりこんでおけば、完成するスープは間違いなくコンソメスープになります。
以上の材料を加えたら、水をトリガラがヒタヒタになるぐらい注ぎ込んでから点火します。
中火で、静かに、時折、鍋底から、かき混ぜながら、煮込みます。 するとそのうち、卵白が真夏の入道雲のようにモリモリモリと盛り上がってくるはずです。 アクを、そして脂肪分を包み込みながら・・・。
卵白の活躍に期待しながら、そのままスープが半分になるぐらいまで、フタをせずに弱火でコトコト煮続けます。
半量になったスープをフキンでこしてみてください。 どうでしょうか。 黄金色にきらめくスープがそこにあるはずです。 ささ、見とれている場合ではございません。
塩、胡椒で自分好みに味を整えて、刻んだパセリをハラリと散らします。 何か具がほしかったらお好みでどうぞ。 これでもう、(即席)コンソメスープのできあがりです。
ソースエスパニョル並に手間がかかります。
09/05/26