冬の味覚としてカキは欠かせないものであり、11月も半ばになると出回り始める生牡蠣を買っては食べ、買っては食べと満喫しているのですが、 何故か近所のスーパーではあまり人気がないらしく、長崎県内某有名産地の牡蠣が半値で売られていたりします。
この状況は、オイにとってはまさに天国でもあり、大量に購入してはカキフライやギュッとレモンを絞り込んで生で食べます。 しかし同じものを毎日食べていては新鮮味が足りなくなるというもの。 ここはひとつ、牡蠣を赤味噌で煮込んで食べる土手鍋なるものを作ってみようではありませんか。
まえもって昆布を水に浸しておいて、昆布だしを作っておきます。 お好みによってはカツオ出汁でも結構です。
土手鍋はカキを楽しむお鍋ですから当然のこと牡蠣を大量に用意しておきます。 オイは殻から割り出したばかりの牡蠣をシャブシャブ程度に土手鍋で煮て半生で食べるのが好きなのですが、 パック入りの生食用だって、加熱用を使用しても結構です。 カキめしの時のように、カキの身をきれいにしておきます。
※牡蠣に不安がある方は、加熱用にしっかりと火を通して食べてください。
土手鍋においてカキの次に重要なのが味噌です。 赤味噌、白味噌を混ぜて、それを酒で少々ゆるめておきます。
使用する味噌の種類、分量はお好みにもよりますが、オイはテンメンジャンを加えたり、 子供が食べないときはコチュジャンを少々忍ばせでピリ辛味噌にするのが好きです。
鍋に日本酒をドボドボと注ぎ込んでから点火します。 そして間髪いれず、練り味噌を土鍋の縁にぐるりと盛っていきます。 土手鍋といえばやはりこの味噌で作られた土手がひとつの見所なのです。
酒を1、2分煮詰めておいて、その上からあらかじめ抽出しておいたダシを味噌のすそがつかる程度注ぎ込みます。 ダシは別鍋で多めに作っておいて、かさが減ったらその都度足すのが家鍋の鉄則 ですよ!
※出汁を注ぎすぎると、土手鍋を始める前に味噌が崩れだしてきて、格好悪くなるのでご注意ください。
さて準備は整いました。 あとはお好みの具材を入れていきましょう。 しかし土手鍋はカキが主役でありますから、あまりゴチャゴチャ入れたりせずに、シンプルに作るのもよいものです。 ゴボウはよく 使いますし、焼き豆腐、長ネギ、春菊なんかもよく合います。
牡蠣は煮えるそばから食べていきたいところです。 鍋を煮るにつれて土手の味噌が決壊し、崩れ始めて勝手に鍋の中に落ちてゆき、溶けてゆく。 こんな風情を眺めつつも 牡蠣の旨味がありありと感じられる汁と共に、牡蠣をほうばると思わず「プハァー」と声をあげてしまいます。 出汁と割り切っていくつかの 牡蠣を底に沈めておいて最後まで手をつけなかったり、ほとんど生の状態で食べてみたり自由自在です。 最後のシメはご飯でもよいですし、麺類だってもちろん合います。 尚、土手鍋を作る際は 七味をお忘れなくどうぞ。
08/02/17