ごま豆腐
ごま豆腐

ごま豆腐

子供の頃近くのスーパーで売られていたピーナッツ豆腐が大好きでした。 甘くてピーナッツの味がして。

それらの豆腐が大豆とは大して関係ない材料で作られるものだと知ったのは、ごく最近のことです。

今回はゴマ汁を固めて胡麻豆腐を作ります。

ごますり

ゴマ

まずはゴマを丹念に炒ってから、すりこみます。  ほうろくあたりばちを使うと作業はスムーズです。

長丁場になりますので腰をすえて挑んでください。


ごまがベトベトに。

大体1時間ぐらいかけてすりこむと、ゴマはベットリすり鉢にはりつくほど粘度を増してきます。

相当腕が疲れますが、根気よくスリスリしてください。 「ゴマ豆腐を作るなら、ごまは2、3時間すりこまなきゃ」という人もおります。

※メンドクサイ方は、市販のゴマペーストをご用意ください。 この作業をスキップできるほか、味はペーストを使ったほうが濃厚でした。


水を加える

ベットリとしたゴマに水を加えます。 ゴマ1に対して水6を注ぎ込みます。

すり鉢の目にゴマがビッシリと詰まっていますから、水で一生懸命溶いてしまいます。


ごま水

すっかりゴマ色になった水は見るからに美味しそうなので、少しナメてみたりもしますがそうでもありません。

よーくかき混ぜてゴマと水をあわせておきます。


こす

ゴマ水を裏ごししつつ、鍋に移します。 布でこしたほうが、なめらかな口当たりになるかもしれません。

ゴマの残骸をよく絞り込んでゴマエキスを出し切ってしまいましょう。


くずをくわえる

吉野葛

鍋に移したごま水に吉野葛を混ぜ合わせます。 分量はゴマと同程度です。 よりまして今回のごまどうふの材料の割合はゴマ1、水6、葛1となります。


混ぜ合わせる

葛をまんべんなく溶かし込みたいところです。 木しゃもじを使っても結構ですが、きれいに溶かすには自分の指を使うのが一番だ、 というようなことが土を喰う日々にありましたのでマネしてしました。


煮る

煮る

葛を溶かし込んだごま水にお好みでをひとつまみ加えまして・・・


弱火で煮る

ひっきりなしに木ベラでかき混ぜながら弱火にかけます。


強火でにる

5分ぐらい経過すると突然、木じゃもじが重くなります。 ゴマ水に粘度がついてきたのです。

この後さらに10分ぐらい強火にかけつつ木しゃもじでグルグルやります。

※ゴマ豆腐の固さはお好みがありますので、この時あまりにも固いようでしたらお湯などを足して粘度調整を行ってください。


型に入れて冷やす

荒熱をとってから型に流し込み、ヘラで平らにならしてから冷蔵庫で冷やします。

十分冷えた頃、取り出して切り分けてからいただきます。  今回は出汁に醤油をあわせ、葛でトロミをつけたあんとわさびで食べましたが、 甘いタレを作ってかけると子供ウケがよいものです。

※精進料理の場合、ダシは昆布だけでとります。


水上勉流ごま豆腐の作り方

いやーゴマ豆腐、美味しかったですね。 禅味があります。 次は水上さんが寺にいた時和尚さんから教わった胡麻豆腐の作り方を記しておきます。  土を喰う日々にありました。

まずすり鉢へゴマを入れ、そこへ水を少し加えます。 すり鉢の目にこすりつけるように手で混ぜます。 するとゴマの皮がむけます。

そこへ水を足すと、皮だけが水面に浮かんでくるので捨てます。 これを何度か繰り返すとすり鉢の底に白いゴマが残ります。

皮むきゴマを天日で干して、パリパリになった頃、すり鉢でドロドロになるまですります。 あとは上記作り方と同様です。

というような感じです。 ゴマをする前に相当手をかけていたんです。 しかし、後に水上さんが「皮付のゴマ」でそのまま作ってみた所、そのほうがおもしろかった、とあります。


ごま豆腐のツボ

  • かき混ぜる際に焦がさないようにご注意を。
  • 枝豆だって、椎茸だって何だって豆腐は作れる、と水上さんはおっしゃいます。
  • 水のかわりに昆布だしや干し椎茸の戻し汁を使う方法もあります。
  • 味噌、醤油、みりん、砂糖を混ぜ合わせた味噌ダレを器に敷き、その上にゴマ豆腐を置いたものもあります。
  • 吉野葛のことを久助葛という。 現代においては葛の生産量は最盛期の1/10になっているらしい。

おさらい

ゴマを炒り、すり、水を加え混ぜ、こし、葛、塩を加え、火にかけて煮る。 冷蔵庫で冷やし、切って食べる。

09/03/12


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