ある日物置を整理していたところ、ところてん突きが見つかりました。
購入した覚えはなく、誰がどこからもってきたのかしばらく悩みましたが、眺めているうちについトコロテンを作りたくなってきました。
トコロテンを作るには原料となる天草(テングサ)を入手しなければならないのですが、それがなかなか見つからずに困り果てていたところ、偶然にも生産者市場でテングサを発見したのでした。
これがところてんの原料になるテングサです。 触ってみるとまるで金だわしのようです。
元は赤みをおびた海草で、水で洗いつつ干す作業を何度か繰り返すことにより、色が抜けてこのような剛毛になるのです。
ところてんの他、寒天の原料にも使われます。
大鍋に湯をわかし、テングサを放り込みます。 酢をふたたらししてからグツグツ中火で煮込みます。
約1時間煮込むと水かさが減り、湯がドロドロになります。
※煮ている途中であまりにも水かさが減ってしまうと鍋底に焦げ付いてしまいますので適宜湯を足してください。
テングサの入ったドロドロの湯を火からおろし、ザルにあけてこします。
この時点でテングサ本体とはおさらばです。
器にたまったドロドロの液体を今後はサラシでこします。 二度漉しにするわけです。 さらしで漉すことにより、細かいテングサの繊維を取り除くことができますから、 是非、二度漉しをしてください。
二度漉しにした粘液は、パットに入れて常温で放置しておきます。 2、30分もすると、プルンプルンに固まっているハズです。 ごらんのように、パットを立てても流れません。
さてこちらがどうして我が家にあったのかその理由を誰も知らないところてん突きです。
押し出されたところてんが出てくる穴には格子状に金属が取り付けてあります。
突き棒の幅に合わせてところてんを切りまして・・・
ニュルリと押し出すわけです。
ところてん突きが木製であるために、乾いているとなかなかトコロテンが入りこんでくれませんので、流水にさらしながら入れました。
ところてんを突き出す作業はクセになります。 一度ニュルニュル押し出す感触をを覚えてしまうと、トコロテン突きを見ただけでもうところてんを作りたくなってしまうこと必至です。
子どもたちに押し出す様をみせたところ、我先に、いや我先にと、ところてん及び突き出し棒は取り合いになってしまいました。
押し出したところてんを器に盛り、ポン酢やめんつゆなどお好みのつゆをかけまわして、 青海苔を散らしたり、辛子をそえたりしていただきます。 こんなにテングサの風味がするところてんは初めてでした。
09/06/27