鯖の燻製

鯖の燻製

鯖の燻製は「さばくん」なんて呼ばれながら酒飲みには親しまれておりまして、ひとくちに鯖を燻製にすると言っても、 様々な手法があるものです。 今回は、オイ一押しの3パターンをご紹介します。

サバに塩を振る

鯖の熱燻

まずは「さばくん」に慣れ親しんでいただくために、超簡単かついかにもな風味、見た目に仕上がる熱燻を作ります。

熱燻とは高温かつ短時間で燻製を作る方法のひとつで、詳しくは燻製の作り方をご覧ください。

燻製を作るというとスパイスやら何やら多用する面倒なイメージもありますが、魚類の燻製に関しましてはそんなもの不必要です。 ただ単に、 サバの切り身を買ってきまして、軽くを振ります。


茶のダシガラ

茶のダシガラ

燻製というとスモークチップや何やら用意しなきゃいけなくて気後れしてしまいそうになりますが、そんなものは不必要です。 茶のダシガラを乾燥させたものを使います。


サバを燻す

燻す

準備は整いました。 フライパンにダシガラを敷きつめて、その上に金網を置きます。 この際金網はダシガラに接してしまうのではなく、間に空間があく大きさのものを用います。  中華鍋を使うといいんですけどね。

金網にを塗っておくと魚が焼きつきません。 皮面を上にしてサバを網に乗せ、フタをしてから強火で10分燻します。 はいこれでもう、鯖の熱燻のできあがりです。  わずか10分で作れてしまうイケてる燻製であります(トップ画像)。

燻製後しばらく風に当てて落ち着かせるとなお良いです。

鯖をヒッコリーで燻す

鯖の温燻

続いて温燻にまいります。 サバの切り身に軽く塩を振るところまでは上と同じです。

何が違うのかというと、燻製時の温度です。 今回は自家製燻製器にてヒッコリーのスモークチップを使い、50℃で2時間程度燻します。


鯖の温燻

こんな風に仕上がりました。 「これって盛り付け方逆じゃない?」とお思いでしょうがこれでいいんです。 皮面を下にして身を崩さないように慎重に切り分けて完成です。  柚子胡椒でいただきます。


血合いが旨い

この燻製のポイントは、ギリギリ芯まで火が通る時間を見極めるところにありまして、それにより内部が雪のようにトロける口当たりになります。  なんといっても特筆すべきは血合いの部分でありまして、口に入れた瞬間濃厚なレバーペーストのような風味が舌に広がりながら溶けていきます。

血合いを取り囲んでいる肉はいわば添え物でありまして、サバの血合いの旨さを楽しむためだけにこの燻製を作ったのです。 できれば肉はのけて血合いだけをチビチビつまみたいぐらいの逸品なのです。

ネタモトは某牛タン専門店でありまして、牛タン屋なのに酒肴の充実ぶりが尋常ではなく、メニューの端からベラッとつまんでいたところ出会ったのがこのサバクンなんです。  牛タンそっちのけで、これを食べたいがために何度店に通ったことか・・・再現できるまでに三か月かかりました。

燻したてのまだ温かいうちに切り分けるので、皮面から切っていくとボロボロになってしまうため、こんな盛り付け方になってるんです。

火が通りすぎては台無しなのです。


塩出しする

鯖の冷燻

最後は冷燻を作ります。 しめさばを作る時のようにサバに塩を振って寝かせ、流水にさらして塩抜きをします。 その後水気をふいてから、 に漬けこみます。


鯖の冷燻

酢をふき取ってから、30℃で3時間燻しました。 しめさばが燻製の薫りを手に入れるわけですからね、もう呑めるなんてもんじゃありませんよ。 以上鯖の燻製でした。


鯖の燻製のツボ

  • 是非新鮮な鯖でどうぞ。
  • スパイスを多用して作ってももちろん構いません。
  • 温燻時の火の通りの見極めは金串です。 刺して透き通った汁が出ればオッケーです。
  • 燻製春巻コロッケもお試しを。

おさらい

鯖の燻製を三種類作り分けつつ、日々の肴とするのです。

12/09/11


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