酒の肴が欲しくてスーパーでシメサバを買ったら、塩が効きすぎていて、なおかつ酢でしまりすぎていて身が真っ白。 はっきりいってちょっとこれは・・・。
鯖寿司を買ったら、サバ寿司とは名ばかりで、サバなんてあるかないかわからないぐらい薄く小さく、ほとんど酢飯を食らっているようなもの・・・。
このような苦い経験をなされたお方へ朗報です。 シメサバは意外とカンタンに作ることができます。 新鮮なサバを見かけたら、是非手作りしてみましょう。
まずは鮮度のよいサバを用意します。 鯖を買う際のポイントとしては、
とまあこんな感じです。
魚ば三枚におろすのような感じでサバを三枚におろしていきます。 まずは図のようにヒレの後ろから包丁を入れます。
反対側も同じように包丁を入れます。
今度はサバを右図のように立てて、胸ビレ付近から頭側へナナメに包丁を入れます。
するとごらんのように、キレイに頭がはずせます。
次はハラワタを取り出します。 腹側に尾へ向かい包丁をスッと入れます。 すると簡単にワタを抜くことができるでしょう。
ワタを抜いたら、丁寧に水洗いをしておきます。
三枚におろします。 まず腹側から包丁を入れ、中骨にあたるまで進めましょう。
次に背側から中骨まで。
背から腹へと包丁を突き通して、ジャッと刃を進めます。
片身がおろせました。
残るもう半身も同じ要領です。
まず腹から、そして背側にです。
「ちょっと3枚おろしはやりたくないな」という方は、魚屋さんに頼んでやってもらいましょう。 快く引き受けてくれるはずです。
いよいよしめさばに加工していくわけですが、まずは3枚におろしたサバの表面に塩をまんべんなく振りかけます。
この際驚くほど大量にふりかける人もいれば、薄く振るだけの人もいます。 何度か作ってみて、自分の好みをハッケンしましょう。
塩をしておく時間もまちまちでありまして、人によっては数時間や一晩以上等諸説ありますが、今回は40分ぐらいのものです。
塩を振ったサバは、皮面を下にしてザルにでも広げておきます。 夏場以外は常温に放置しておいても大丈夫ですよ。
さて、サバから水気が出て、いい具合に身が締まりました。 今度は、流水にさらして塩抜きをします。
チョロチョロ流水にさらしながらサバを洗います。 塩の量、置いておいた時間によってもさらす時間は違ってきますが、ウチではいつも10分ぐらいのもんです。
充分水にさらしたら、水気をしっかりと拭いておきましょう。
いよいよ酢につけて、シメサバを完成させます。 今回は米酢と穀物酢を混ぜ合わせたものを使っていますが、単品で用いてもまったく構いません。
バットにサバを並べ、ドボドボと酢を注ぎ込みます。
酢を入れて、上からキッチンペーパーでもかけておけば、酢のまわりがよくなります。
酢を節約したい場合は、ビニール袋にサバを入れ、酢を注いで密閉するとよいです。 ジップロック系が便利ですよ。
ウチではこの際、酢の中にショウガや出し昆布、レモン等を忍ばせるわけですが、これも千差万別お好みがあります。
酢だけでも充分美味しくできますし、ここ長崎では砂糖を加える方もいます。 酢に漬けておく時間ですが、これもお好みです。 オイは生々しいものが好きなので、30分程度です。
※タマネギのすりおろしを少々加えておくと、クセがなくなり上品なシメサバとなります。
良い加減にサバを酢漬けできたら、ザルなどにあげて酢を切ります。
食べる際は、サバ表面の薄皮をはぎとります。 塩を振る前の段階で皮をはいでおく手法もあります。
皮をむいたあとは、身の中央に並んでいる中骨を骨抜きで抜き、腹骨をすき取ります。
中骨が抜きにくい場合は、中骨に沿って少し包丁を入れてみるとよいものです(頭側へ向けて抜くと楽です)。 骨抜き作業も、塩を振る前の段階で済ませておいても構いません。
※酢でしめた後のサバは、冷蔵庫でしばらく寝かせたほうが、塩と酢がなじんで味に丸みが出てきます。
切り分けて、シメサバとして楽しみます。 薬味はもちろんワサビでも良いですが、針ショウガやカラシでも旨いものです。 さらに皮面をサッと炙ればまた違った風味が楽しめます。
表面は白くしまっているけど、中はじんわりと生っぽい好み通りのシメサバを作ることができました。 ちなみに鯖をシメた後に残る酢は、冷蔵庫で3週間程度は保存可能です。
しかも次回この酢を使って鯖をシメると、なんと、しまる時間が短くなるという特典つきなんです! だから急いで捨てずに保存しておきましょう。
先日鯖に塩を振ったまではよかったのですが、事もあろうに酢を切らしておりましてですね・・・苦肉の策で、ポン酢に浸しておいたところこれがまた旨いったらなんの。 丸二日浸し、汁気を切った後に切り分けて、醤油でなくてレモン汁で食べます。 これぞ前代未聞のサバのポン酢〆であります。
さて次はサバ寿司(バッテラ)を作ります。
スシめしは、ご飯を炊くときに、出し昆布を入れて固めに炊いてから、塩、砂糖、酢を調合して寿司酢を作り、混ぜ込みます。 詳しいすしめしの作り方はすし飯の作り方をどうぞ。
※酢は、各種調合して使ったほうが、味に奥行きが出ます。 たとえば普通の穀物酢にリンゴ酢を混ぜてスシメシを仕込んだり、 穀物酢と米酢を混ぜてみたり。 言わば「酢のカクテル」を作るわけです。
鯖寿司にするためには、スシメシにサバをなじませる必要がありますので、サバの寿司メシに接する部分を平らになるようそぐ必要があります。
身の高い部分を少し削って、その身を腹のくぼんだ部分に乗せるわけです。
ちなみにバッテラの語源は、ポルトガル語のバッテーラ(平底ボート)で、昔のバッテラの型枠がそのボートに似ていたところに由来します。
形を整えたサバに、手で棒状に固めた寿司メシを乗せます。 そしてある程度のところを形作ります。
そしてサラシにくるんでさらに固めます。 横から寿司めしがはみださないように押さえたりします。
※さらしが無い場合はラップで代用できます。
最後にスダレで押し固めると、サバ寿司のできあがりです。 濡らした包丁で、適当な厚みに切り分けて食べます。 ちなみにバッテラの一人前は、大体6個で、縦2.5cm、横2.5cm、奥行き6cmというのが基本的な大きさになります。
醤油をつけたバッテラは、サバのほうを上にして口に入れたほうがよいと東海林さだおさんはおっしゃいます。 サバの上に甘酢で煮た白板昆布を載せてもウマイですし乾燥防止にもなります。
このように、シメサバですしめし上下をはさみこんださば寿司というのもアリです。 スメシが少ない分、酒肴になります。
サバを3枚におろして塩をふる。 しばらくして塩を洗い流して酢に漬け込む。 酢は米酢がよろしく、酢のなかにダシコンブやレモン、ショウガなどお好みの薬味を入れてみる。
05/11/20