えーしばらく東京に行っておりました。 ハマっちゃったのが蕎麦屋巡りで、名店があちこち存在しますからね東京は、うらやましいかぎりです。
中でも気に入ったのは天ぷらも有名な浅草の老舗で、足繁く通いながら、メニューの全制覇を目論んでいた所出会ってしまったのがこの「かしわせいろ」だったんです。
温かくコクにあふれるツユでいただくキュッと締まった冷たい蕎麦は、さながら和風つけ麺といったところです。
この蕎麦は、ツユが命です。
いつもよりも多めの煮干を水に沈め、昆布と干し椎茸をお供に3時間安置します。
煮干の頭とワタは、あえてはずしません。 複雑な風味を手に入れたいからです。
すでにうっすら色づきはじめた汁を鍋に移して煮てまいります。 沸いたら昆布を引きあげて、今回パンチが欲しかったので15分に渡り煮出しました。 途中アクが浮かんでくるのでその都度すくい取ります。
あとは濾したら濃厚煮干だしの完成となります。
かしわとはつまり鶏ですね。 部位は好みでかまいませんけど、この味にはムネ肉がよく合います。
食べやすい大きさにそぎ切りした肉を、胡麻油をたらした鍋で焼くのです。
この際注意したいのは、決して肉に焼き目を作ってはならないという事でして、つまり弱火という事になりますね。
かしわの赤味が消えたところでダシを注ぎこみます。
静かに煮ながら砂糖、みりん、醤油で調味します。 今回ツユの味付けはかなり濃い目となっておりますが、ほぼお店の味に辿り着けた感があります。
かしわから、にじみ出た油の玉が光るそばつゆです。
短冊に切ったネギを加え、うっすら透き通ってきたところで火からおろします。
蕎麦が茹であがる頃には、ちょうど良い温かさに落ち着く事でしょう。
茹でたら水に当てながらよく洗い、水気をしっかり切って、せいろに盛ります。
あとはツユを猪口に注ぎ、刻みネギとおろしショウガをお供に、ひたすらススりこむだけです。
今年のオフ会はこれまでで一番充実しておりました、ありがとうございます!
17/11/12