長崎に江戸善という鶏の唐揚げで知られる名店があります。
のれんをくぐってカウンターに着き「ビール、それと唐揚げ一皿」と注文すれば、すぐに揚げたてをかじることができます。
飲んでいると、「もう二皿お願いします」とか「お持ち帰りを三人前ください」等唐揚げの注文が続々入る様子がうかがえます。
その都度、黙々と唐揚げを仕込む職人さんでありますが、作り方としてはまさにシンプルの極みといえるものです。
鶏肉は是非、骨付きのものを用意したいところです。 肉ちゅう肉は、骨に近い部分が一番旨いものです。 ちなみに江戸善の唐揚げは、肴にうってつけの一口サイズです。
鶏肉をボールに入れて、醤油をひとたらし、続けてみりんをチとたらします。
醤油とみりんをたらすやいなや、肉を30回ばかり片手でもみます。
すかさず片栗粉の山に肉を無造作にうずめ、菜箸と手のひらを使いまんべんなく衣がつくよう混ぜ合わせます。
この際神経質に肉の汁気をよく切ったり、余分な片栗粉をはたいたり等の気遣いは一切無用です。
衣をつけたら即、180度の油の中へ肉を落として揚げはじめます。
2分ほど経ったところで肉を裏返し、1分少々待てば揚げあがりです。
揚げている最中は時折菜箸でつ突いてみたり等余計な事はせず、ただだまってパチバチ小気味良い音を聴きながらビールでも飲んでいればいいのです。
油を切って小皿に7、8個の肉片を無造作に盛り付けまして、キャベツの千切りを添えます。 揚げたてのカリポリしたところをいただきます。
この唐揚げを作る際、ただひとつだけ注意するところがあるとするならば、揚げている際に浮かんでくる揚げカスを、丁寧にその都度すくい取ることぐらいです。
唐揚げを江戸善風にこしらえてビールを飲む。
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12/09/30