香り・・・かみ締める度にじみ出てくる凝縮された旨味。
スルメは「酒肴の王様」といっても決して過言ではないほどの味わいを持ちます。
サッと炙るだけですぐにつまむことができることから、我が家ではスルメを常備しています。 キッチンからスルメの香ばしさが立ち上れば、子供たちがワッとよってきて、 肴にするはずが全部食べられてしまった・・・ということも多々あります。
そんなスルメ、実はとっても簡単に自作できてしまうんです。 しかも市販品に劣らぬ味に仕上がる上、買うよりも安いとくれば、自作しないわけにはいきません。
尚、本レシピは「居酒屋を経営する北海道出身の肝っ玉母ちゃん」に伝授されたものです。 この場をかりて心よりお礼申し上げます。
用意するものはイカだけです。 今回魚屋にて「真イカ」と表記され売られていた剣先イカを使用しています。
名に「スルメ」を冠した「スルメイカ」を用いるのが王道ですが、「剣先イカを用いた磨きスルメは最上品」といわれます。
さて、イカをまな板に置いて、逆包丁で胴を開いていきます。 この際、イカの表裏にご注意ください。 図のようにイカのエンペラがまな板に接するように置いて、胴に一直線包丁を入れるのです。 反対面から開いてしまうと、胴と足が離れてしまいます。
このようにワタがあらわになりました。 スミ袋を破らぬよう、注意しながらワタを抜き取ります。 ちなみにスルメイカの場合、超濃厚なイカワタがたんまり入っておりますので捨ててしまうのはもったいないです。 この件に関しましては、 後日別途記します。
目の間にも包丁を入れて、目玉、口を取り除きます。 詳細な開き方は、イカの干物をご覧ください。
イカワタを抜いたら流水で身をよく洗ってください。 きれいになったイカをよくみると、胴の中央に透明な「甲」があることが確認できますので、 やさしく抜き取ります。
※甲のついたままのスルメも市販されています。 面倒ならば取らなくても結構ですが、どのみち食べる際は取らねばなりません。
イカの足には吸盤が沢山ついておりまして、塩をこすりつけてしごき取るのだと母ちゃんは言ってましたが面倒なので今回はそのままです。
きれいになったイカに、串を打ちます。 これは干す際に形を整えるためのものです。
イカ胴体の三角形の頂点に一本、底辺に一本打ちます。 イカには2本、長い足がありますので、その足は底辺の串にひっかけておきます。 頂点の串にはヒモをくくりつけ、 下げやすいようにしておきます。
※大きなイカを干す場合、形が整うよう適宜串打ちを増やしてください。
あとは干すだけです。 風通しのよい場所でどうぞ。
今回、干した初日は晴天だったのですが、天気は次第に下り坂になりました。 雨に当ててしまってはオジャンになりますので、曇り空や雨の日は室内で吊るし干しにしてください。
ちなみにこの図はスルメイカを干しているところです。 剣先イカよりも形を整えやすく、さすがスルメイカっちゅうだけあんな、と感心します。
※室内に干す際、洗濯物の近くに干さぬようご注意ください。 匂いが移る恐れがあります。
干すこと1週間、ついにスルメは完成しました。 かかる日数は季節風土によって前後すると思いますので、触れたり、嗅いだりして見極めてください。
※市販のスルメは干す、圧をかけて伸ばす、干す、という風に繰り返しながら仕上げるのでピンとしています。 同じようにやれば、 美しい形のスルメに仕上がります。
早速食べてみましょう。 炭火で焼くのがおすすめですが、今回はコンロの両側にレンガを配し、その上に焼き網をのせてから炙ります。
炙る直前にスルメへパラッと水をかけて、両面こんがり仕上げます。 炙りすぎによる焦げにはくれぐれも注意してください。
炙りたてのスルメを裂いて、マヨ醤油(マヨネーズ+醤油+七味)を塗りつけながらつまみます。 今回はぬる燗で楽しみました。 それにしてもスルメにマヨ醤油って誰が思いついたんでしょうか、たまらんです。
11/05/06