先日名古屋に住む友人を訪ねた折、行きつけの地鶏屋さんに連れていかれました。
彼はカウンターにつくなり「大満足2の生2、あと、山ねこ(宮崎の芋焼酎)も一本持ってきといてください、氷と」と、常連風を吹かせながら注文しました。
気になるのはその「大満足」です。
「何大満足て?」と聞けば店主を指さすので、黙って見ていると棚から巨大なフライパンを引っ張り出しました。 そのフライパンは、底がまるまる抜けており、かわりに目の粗い網が取り付けられています。 まるでテニスラケットのような外観です。
その中へ、サイコロ状の鶏を放り込み、両手でパンをユッサユッサしながら火柱を立てつつ焼きます。 口にすると誰もが満たされる、それをそのまま名に冠したこの店の看板メニュー、それが大満足(=地鶏の炭火焼き)なのでした。
それを自宅でやってみたかったわけです。
モモ肉が適していると思います。 焼けばむっちりジューシーですからね。 あわよくば銘柄鳥を仕入れて半生でいきたいところですが、何ふつうのものでも十分です。 食べやすい大きさに切り分けます。
七輪に炭火をいつもより強めにおこします。
お店みたいに専門の器具があればよいのですが、もちろんどこにも売っていません特注品でしょう。 そこで、どうやって焼こうかなと考えたところ何も思い浮かばなかったので当の地鶏屋さんに電話して聞けば「ザルで焼いたら、ザルで」ということでした。
水切りに使う金ザルですね。
七輪の上にザルを乗せ、しばらく熱したところで鶏を入れます。 はじめはザルにくっつきますが、触れずにそのまましておくと、じきはがれます。
あとはザルをあおりながら、まんべんなくモウモウと焼いていくだけです。
焼いている最中もちろんザルは熱くなりますので、トングで保持します。 もう片手にもトングを装備し、カニみたいになりながら豪快に焼いてゆくのです。
塩、胡椒を振りながら焼き、鶏が煙でいぶされて黒っぽくなってきたところでひとつつまんでみます。
頃合いをみて器に盛り、再度塩、胡椒をふった後脇に柚子胡椒を添え、いただきます。
もう焼酎がスッカラカンになる旨さです。
※焼いている最中に焼酎を振りかける、という技もあります。
これはガス火で焼いたものです。 ガスで焼いた方が肉の黒味が増してそれらしく仕上がるようです。
以上地鶏の炭火焼きでした。 ザルを使う方法が素敵です。 焼鳥を焼くのはちょっとした馴れが必要ですが、 このザル焼き式はただ転がしていればいいんですもの、子供だって美味しく焼けます。 バーベキュー時にも活用できる方法です。
モモ肉を切り、ザルに入れて炭火で焼く。 柚子胡椒を是非。
13/02/16