酒場のカウンターに腰かけ、厨房の動きを眺めながら呑むのが楽しみです。
とある繁盛店では二畳ほどの空間に、二人の調理人がせわしく動いており、ひっきりなしに飛んでくる注文に「あいよ!」と答えながら六基のガスコンロの上で、煮たり焼いたり炒めたり・・・休む間もありません。
となりのお客さんは、調理人がチラッとカウンターを向いた瞬間を見逃しませんでした。
お客:「青菜炒めね!」
調理人:「あいよぉ!」
とまあ、一見のこちらとしては、アテを注文するタイミングすらつかめませんでしたその分、つぶさに「人気メニュー」と銘打たれた青菜炒めの作り方を観察する事ができました。
まずは冷蔵庫から青菜を取り出し、青菜と言っても葉が青けりゃ何でも構いません。 現に他のお客から青菜炒めの注文が舞い込んだ時は、別の野菜使ってましたから。 ちなみに今回はホウレンソウ草にてまいります。
ガサガサッと水洗いしてから、
中華鍋から白煙があがるまで強火でカンカンに熱し・・・たりせず普通に中火で温めてから油をたっぷり注ぎます。
そこへ刻んだニンニクとショウガを放り込み、美味しい香りが上るまでキツネ色に炒め・・・たりせず、いきなり青菜を炒めはじめます。
火力は終始「弱火寄りな中火」で、鍋をパンパンあおったり、ガシャガシャかき混ぜたりせずそのまま放置し、その間別の鍋の世話をしつつ時折目をくばり、軽く二三度かき混ぜたところでウスターソースを回しかけます。 時間にして五分てところです。
ここでひとつまみ味見してから、仕上げにトマトケチャップを小さじ半分隠し味程度加えて「あいよ!青菜炒めね!」です。
出てきた一皿は山盛りで、気長に炒めたから汁気がたまっておりますが、これがまた素に旨く、「野菜を炒める」と言えば何かアレコレ気遣いせねばならぬ、 といった固執がキレイに払拭されちゃったのでした。
つまんでいると、いきなりニンニクが現れて、「一体いつの間に入れたんだろう」と戦慄を覚えましたが、なに青菜と一緒に加えたのでしょう。
是非一度お試しください。
青菜を炒めるのに細やかな気遣いなんて不要論とも。
Instagramはじめました! ぜひフォローお願い致します。
14/12/06