太巻きや鉄火巻きは子供らの好物です。 寿司屋さんでも自ら「巻き寿司3人前!」とか勝手に注文したりします。
スーパーのおそうざいコーナーに必ずといってよいほど置いてある太巻きもやはり、子供たちの好物です。 しかしながら、お寿司屋さんのそれとは違い、ろくでもないものが多いのも事実です。 具はほとんど入っておらず、シャリは甘すぎてクドい。 裏張りを見るとアミノ酸が入ってるとかどうとか書かれてあります。
つい先日嫁さんがスーパーから買ってきた太巻きは史上最高にマズいものでした。 「こんなものは断じて太巻きではない!もう買ってこないでくれ!子供たちに食べさせてはいけない! んもー頭にきた!これが、我が家の、太巻きであるよ!」と鼻息荒く調理開始です。
太巻きを作るにあたってまず海苔がなければ始まりません。 海苔を知ることが重要なわけです。
海苔1枚のことを全型と呼び、サイズは原則として縦21×横19cmとなっております。 昭和40年代、このサイズに全国統一されたそうです。
※海苔のサイズは、製造課程において若干の誤差があるそうです。
海苔にはオモテとウラがあります。 オモテはツヤがあり滑らかで、ウラはザラリとした手触りでツヤがありません。 よく見るとよーくわかりますので確認しておきましょう。
海苔を使用する前に炙っておくと、磯臭さがぬけて、風味高くなります。 是非海苔は炙って使用してください。
炙り方としては、海苔の表どうしを重ねておいて、炎の上をシャブシャブと瞬間ヒラヒラさせる方法がメジャーでありますが、一枚づつ炙る方法もあります。 その際は、表7、裏3の割合で炙ります。
炭火や電気コンロを使うと海苔をきれいに炙ることができますが、ガスコンロの場合、おちおちしていたらすぐに海苔を焦がしてしまいます。 なので瞬間的に炙るようにしてください。
巻きすとは巻き寿司を巻き上げるためのすだれのようなものなのですが、これには太巻き用、細巻き用があります。 使用する際は竹の皮側を上にします。 使用後は よく洗い、カビないように十分乾燥させておから保管します。
まずは干ぴょうから。 かんぴょうとはユウガオの果肉を細長く紐のようにむいて乾燥させたものです。 スーパーなどに普通に売ってると思います。 そんなかんぴょうを水に1時間ぐらい浸しておいた後 とりだして、塩をひとつまみまぶし、よくもんでアクを取ります。 その後水洗いして、水に10分程度さらしておきましょう。
かんぴょうを湯の中にいれ、15分ぐらい強火で煮ます。 かんぴょうに爪がたつぐらい煮ればオッケーです。 ざるにあげて水気をよく切っておきます。
鍋に出汁、砂糖、醤油、酒を火にかけて、 かんぴょうを加えます。 煮汁が半分くらいになったらみりんを加えてひと煮します。 煮汁につけたまま冷まして、海苔と同じ幅(19センチ程度)に切ります。
干しシイタケを水に浸して戻し、軸をとります。 鍋にシイタケの戻し汁、みりん、醤油を入れて、しばらく煮て、切っておきます。
卵を溶いて砂糖、塩少々、出汁で味をつけ、十分に油をなじませた卵焼き器に流しいれて、焼きます。 焼いている最中に膨らんできた部分は箸でつついてつぶします。 焼けたら1センチ幅に切っておきます。
塩少々を加えた熱湯で湯がきます。
あとおぼろですが、白身魚を茹でて皮骨を取り除き、フキンに包んで水中でよくもんで脂肪分を抜きます。 水を替えて2回くらい行います。 白身の水をよく切って、すり鉢ですり、 砂糖少々、酒で溶いた食紅を加えてよく混ぜ合わせます。 鍋に移して弱火にかけて、箸4、5本を束ねたもので混ぜながらポロポロになるまで炒ります。 よく冷ましてから使います。 以上、太巻きの具でした。
さて具が出揃いました。 巻きすに全形海苔を縦長に置きます。 その際表が裏側になるように配置します。 ザラリとした海苔の裏面が見えている状態で巻きすの上に海苔を置くのです。
海苔の上3センチをあけて、すし飯300g程度を海苔の上に広げていくのですが、その際、 具がはみでないように向こう側に高く山を作ります。
広げたシャリの上にそれぞれの具を乗せていくのですが、その際汁気のあるシイタケやかんぴょうは軽く絞っておいてからにしてください。
具が動かないように押さえつつ、巻きすを持ち上げ丸め込みます。 手前のすしめしを、奥のすしめしと合わせるように一気にかぶせます。両脇から具、シャリがはみ出る場合がありますので、 その場合は抑えつつ丸めます。
巻き終えたら、8等分に切り分けて、盛り付けます。
※包丁を酢水で濡らしたフキンで湿らせながら切り分けるとご飯がくっつかずに綺麗に仕上がります。
さて次はおなじみカッパ巻きを作ってみます。
きゅうりはあらかじめ塩もみしておいてから、千切りにしておきます。 面倒くさい場合は太めの四角形に切っても結構です。
のりは太巻きに使用した全型をちょうど半分に切ったもの(約10.5×18センチ)を使います。
まず巻きすの上に海苔を置きますが、その際表が裏側になるように配置します。 ザラリとした海苔の裏面が見えている状態で巻きすの上に海苔を置くのです。 太巻きと同じです。
海苔の上におよそ90グラム程度のスシメシを広げますが、その際海苔の上下にスキマを設けます。 これがのりしろになるわけです。 さらにシャリは 上下を少し高くしておきます。
※海苔を巻きすの下端にそろえておくと巻きやすいです。
シャリを海苔の上に広げたら、わさびをシャリの中央部に塗りつけておいて、その上に千切りにしたきゅうりを並べます。 あまり欲張りすぎると巻けなくなるので何度かトライしてコツをつかんでください。
巻きすを持ち上げながら、具を中心に包み込みます。
巻きすを丸め込んだら、細巻きが四角になるように圧を加えます。 横からみると、馬蹄形にするようなイメージで行います。
どうですか、きれいにまとまりましたか? うーん残念。 米粒がはみ出ました。 海苔の合わせ目がピタリと合わないと美しいかっぱ巻きは完成しないのですが、これがなかなか難しいものなのです。
これは何度も作って体で覚えるしかないと思います。 何度も作ってコツを体得しましょう。 でも少々カッコ悪くたってイイじゃないですか。 自分で食えばいいんです。
上手に巻くことができた細巻きは、包丁を酢水で濡らしたフキンで湿らせながら切り分けるとご飯がくっつかずに綺麗に仕上がります。 かんぴょう巻きのみ4等分、その他は6等分に切り分けます。
以上細巻きの作り方です。 細巻きを並べる場合はかんぴょう巻き以外は縦置きが基本なのだとか。 今回はきゅうりとアジの叩き をタネにしてみましたが、鉄火巻きの場合はマグロの赤身(鉄芯)を使いますし、その他自分好みで何を巻いたってよいかと思われます。 簡単そうにみえてなかなか難しいですが挑戦してみてください。
揚げたてのてんぷらを手巻き風に食べるのも美味しくて子供にも人気があります。 今回はエビのてんぷらに若干の塩を振り、それを包んでみたのですが、他のてんぷらでもイケるハズです。 名古屋 の天むすに近いものがあります。
07/12/06