週に2日休肝日を設けておりまして、ひと月におよそ3升の焼酎を飲む日々です。 ただ飲むだけでなく、知識も深めたいなとこのごろ思いついて、 アマゾンで焼酎関係の本を探していたところ興味深い一冊に出会いました。
タイトルは「趣味の焼酎つくり」です。 自分で焼酎を蒸留してしまおう!という本なのです。 自らの手で焼酎を作ることができてしまうなんて願ってもないことです。 早速購入し、興味深く読み進みました。
即実行に移ります。 まずは蒸留装置を自作しなければならないのですが、 そこではたと思い当たりました。 「ていうか、法律上大丈夫な行為なのだろうか?」
以前自分で酒を造ってはならぬ、という話をどこかで聞いたような気がしたのでイロイロ検索してみるとやっぱりそうみたいでした。
日本では、酒税法によりアルコール度数1%以上の酒を個人が造ることは禁じられているそうなのです。
せっかくよい本にめぐり合えてその気になったのにガッカリです。 法律で禁じられていることはやめておきます。
が、しかし!
蒸留装置を作ってみること自体は何も問題ないはずです。 将来、個人が焼酎を作ってもいいような時代になったときの事も考えて、実験しておくことにします。
さつまいも(2kg)の皮をむいてから乱切りにして、蒸します。 時間はおよそ30分ぐらいで、箸が通るぐらいに柔らかく蒸しあげます。
さつまいもの品種は何でも結構です。 今回は娘が保育園から持ち帰ってきたものを使っています。
水を3リットル用意してください。 蒸したサツマイモをミキサーに入れ、すりつぶします。 いもだけではなかなか回りにくいので、用意しておいた水を数回に分けて加え、 十分すりつぶします。
ペースト状のさつまいもを仕込み容器(今回は圧力鍋)に注ぎ、残りの水を加えて攪拌します。 するとイモの温度が35℃ぐらいに下がるハズなので、 本来ならばここで、もみほぐしておいた米こうじ(250g)を加え、よく混ぜ合わせます。
容器にフタをして、甘酒 や納豆を作るときのように毛布等にくるんで30度くらいに温度を保ち、 3日間おきます。 途中一日に2、3回かき混ぜることが重要です。 三日目にはいわゆるドブロクが完成します。
という話なのですが、とにかくアルコールを作ることができないために、いもをペースト状にするところまで作業を行いました。 そしてそれをすり流しにして食べました・・・。
さて次は、焼酎蒸留装置の実験です。 「趣味の焼酎つくり」では、寸胴鍋を使って装置をこしらえておりましたが、フタが別途加工必要だったりして大変そうだったので、 圧力鍋で代用します(もしも焼酎作りが法的に大丈夫だという話ならば本格的な装置を作ります)。
圧力鍋を使う理由は、密閉できる事と、フタに穴があいていることです。
圧力鍋の中にはイモどぶろくが入っていることと仮定します(今回は水です。 本来はどぶろくのもろみをザルでこし、水を1リットルたしたものを用います)。
圧力鍋をガスコンロの上に置き、フタについている蒸気吹き出し口のキャップをはずし、そこへ直径がピタリと合うビニールホースを差し込みます。 差込み口は園芸用のビニールテープで止めました。
ビニールホースは熱伝導率が悪いために、本来ならば継ぎ手部分だけに用いるなど最低限の使用がよいのですが、どうせ今回蒸留するのは水ですから問題ありません。
圧力鍋から伸びたホースは途中で冷却部を通ります。 本来ならば、流水を対流させながらパイプを冷やす装置になりますが、今回はポリ容器にホースぴったりの穴をあけ、 そこにホースを通し、接着剤で止めてしまいました。 内部に水を張り、砕いた氷を浮かばせて冷やします。
冷却部から伸びたホースは、空き瓶の口に入ります。 これで焼酎蒸留の準備は完了です。
さて、それでは早速キチンと蒸留できるか実験してみたいと思います。
まずはドブロク(今回は水)の入った圧力鍋を強火にかけます。 耳をすませて、鍋から沸くような音がしたら弱火にします。
弱火にかけてしばらくすると、ホースの内部に水滴がつきはじめました。
水滴は冷却部で冷やされて、やがて瓶の中へポトリポトリ、つらつらと落ち始めます。 これぞ本来、初垂れなんですけどね。
瓶の底に水が溜まってきたことを確認してから実験を終えました。
ちなみに最初にたれてくる原酒の度数は70〜80度あるそうです。 飲む場合は水で薄めて飲みます。
蒸留装置はこのような構成になっています。 ビニールホースを使用しているのでガイドが必要です。
今回の蒸留装置作りは「趣味の焼酎つくり」を参考にしました。
最近読んだ焼酎本の中でオススメなのは焼酎ぐるぐるです。 九州の蔵元を訪ねながらの焼酎の紹介です。 イラストがウケます。 「飲んでみてから断れ!!」
10/02/12