祖母は昔、厚揚げをよく自作していました。 煮しめやおでんに大活躍で、 厚揚げばかり選んで食べていた記憶があります。
豆腐は麻婆豆腐や揚げだし豆腐を作るときのように、 厚みを半分に切ってまな板ではさみ、水気をよくきっておきます。
木綿豆腐で作るのが好みですが、近頃の木綿豆腐ときたら、絹ごし以上にもろく、ゆるかったりして味も素っ気もありゃしません。 まな板の重みにも耐えられず、 潰れてしまう豆腐さえあります。
今回使用している木綿豆腐はまな板の上をサイコロのように転がしてもカドひとつ欠けないお気に入りの豆腐で 冷奴にもこれを使っています。 お好みの豆腐をご用意ください。
豆腐を揚げる油は新品よりも2、3回揚げ物に使用したもののほうが厚揚げらしい色をつけてくれます。 今回ごま油100%の油になりますが、お好みの油を使ってみてください。
油を180℃に熱し、豆腐を静かに浮かべます。 しばらくはそのまま様子を見守り、動かしても崩れなくなった頃を見計らい、ひっくり返します。
両面がきつね色に色づけば、もう厚揚げの完成になりますが、揚げる時間、油の温度、豆腐に含まれる水分量によってかなり仕上がりが違ってきます。
近頃は、「いかにもな厚揚げ」を安定して揚げることができますけれど、最初の頃は「これってどっちかっていうと豆腐の素揚げだよな・・・」とか、 揚げすぎてドス黒い厚揚げを作ってしまったこともままありました。 何度か試してみて、自分好みの厚揚げを作り上げてください。
ちなみにオイは、半日かけて豆腐の水を切り、180℃のたっぷりの油で6、7分揚げています。 揚げ上がりにはネギを散らし、ショウガを添えて醤油をかけまわしたり、 めんつゆだったり、 ポン酢で楽しんでいます。 家常豆腐作ればご飯のおかずにさえなります。 雪虎、というテもありますし。
市販の厚揚げと比べると断然大豆の甘味がします。 豆腐の水気が飛んで、大豆の甘味が濃縮されたからなのかもしれません。
豆腐を薄切りにして揚げればちょっとした油揚げになります。 大学芋を作るときのように、2度揚げにすると様になります。
豆腐の水気をしっかり切り、ひとつづつ丁寧に揚げると上手くいきます。 油温が低すぎるとしっくりきません。
10/01/22