ホルモンは元々「放るモノ」だった、つまり食べないものだったからこう呼ばれるようになったという説もありますね。
ところが今や、立派に市民権を得て人気ありますしホルモン。
十数年前までは激安だったんですホルモンは(長崎での話)。 友達が遊びに来ようものなら、ホルモン焼きさえ与えておけば腹いっぱいご馳走できるし財布に優しいし重宝していたんですけどね、
人気が出ると共にじりじり高くなってきて、今やちょっとした肉より高価になってます。
このホルモンとまったく同じ運命をたどったのが牛スジ肉でして。
これも昔は上記同文なんですが、国産のスジ肉ときたら、今や上カルビよりも高い値段が近所の肉屋でついています、ケシカラン状況です。
そこでスジの代わりに「代用できるのもはないか」と悩んで行きついたのが、欧米産牛肉でした。 以前はタマネギまみれにしなければ固く筋々しくて食べれたものではありませんでしたが、知らぬ間に「エッ!」ちゅうほど品質が向上しております。
なのに値段は下がっている様子なんですね喜ばしい事に技術の進歩でしょうか。 もっぱらサイコロステーキにして食べておりましたところ「はて煮込んでも旨いんじゃ?」
と思いついて試してみたのが本作です。
煮込んでいると、洋食屋さんの薫りが充満してきて「今日はビーチュー?」と家族に聞かれたりもします。 そりゃこのオージーで仕込めばハイクオリティなシチューが作れる事は間違いありませんがあえて和風の煮込みにしましょうよ。 そう、縁遠くなったスジの代わりに肉本体で甘辛煮込みを仕込むのです。
もしもヘットがあればゲットして鍋に加え、一緒に煮込んでおきたい所ですね、旨味が圧倒的にアップします。 さて、グラム100円を切るこのオージービーフをまずサイコロに切りまして、深鍋に入れます。
続いて大根を肉と同量用意して、いちょう切りにでもしておきましょうか、鍋へ加えます。 水をたっぷり注いだらショウガとネギを入れて、弱火にかけます。 このまま二時間じっくり煮込みましょう。
煮はじめはアクが盛大に浮かんできますが、これをマメにすくい取るか否かはお好みです。 私は最近、あらゆる料理において、アクをまめにすくい取る事を止めました。 だって汁が濁るワケでなし、味がくすぶるからでなく、美味しいんですもの普通に。
なんかみすみす旨味を捨ててしまっているのではないかという疑念の素、しばらくこの実験を続ける所存でおります。
で、二時間経ったら程よくカサが減り、ハイカラな色合いの煮汁になっている事でしょう。 余談ですが、おもむろに幾片かの肉と大根、煮汁を小皿に取り、ポン酢を回しかけてネギを散らせば「オジポン」ですかなり飲めますコレ。
戻ります。
味付けは味噌と醤油、砂糖でシンプルに行います。 今回味噌を強めにしていますが、醤油を強くしたってもちろんイケますので何度か作って好みに仕上げてみてください。
調味料を加えた後は、汁気が飛ぶまで軽く煮るだけでして、後は器に盛ってネギを盛り上げ七味でも散らせば傑作です。
噛めばホロホロ崩れるオージー。 肉の旨味がたっぷり染みこんだ大根。 肴にしても、丼に乗せても間違いなしです。
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19/04/20