なかなか予約のとれない、前から行ってみたかった料理屋がありまして。
マメに電話を入れていたところ、幸運にも空きができましてね。 もう日がな一日、夜の宴の事ばかり考えていました。
予約時間に遅れないよう、早めに家を出て店に向かったところ、なんか行列ができています。 「さっすが人気店!」かと思いきや、どうやら列は、となりのお店に作られている模様です。
すかさず検索してみると・・・なんとそこもまた、人気の酒場だったのです。
予約の時間まで少々余裕がありましたから「一杯だけ」と、つい並んじゃいまして。 中へ入れば、壁面にメニューがビッチリ張られている、安くてボリュームある系の酒場でした。
とりあえずビールをお願いし、メニューを端からズラリと眺めて・・・なにか腹にたまらないものを・・・あ、セロリだ!と注文したんですけどね、
そしたら間髪置かずに出てきたのが、ホントにそのまんま、セロリだったんです。
さずがに一本丸ごとでなく半分でしたが平皿に、セロリ(根の方)をポンと置いただけ、という状態にア然です。
「あのー、コレこのままかじるんです?」と念のため聞いたところ、テーブル備え付けのマヨネーズを塗って、かじれという指示でしたから、言われた通りにビールを飲みながら、黙々と喰ったんですセロリを。
軽く一杯のつもりだったのに、ズ太いセロリを前にこれではビールが足りません。 すかさず焼酎をお願いし、さし迫る予約時間の中、必死でセロリを胃袋へ収めたのでした、カリカリカリカリ・・・。
さて目当ての料理屋です、なんか落ち着きます。 お勧めのものをお願いし、日本酒を呑みながらメニューをしげしげ眺めた所「セロリ」の文字を見つけましてね。 何なんでしょうこの既視感。
たった今痛い思いをしたばかりのセロリでしたが「この店のセロリはいかばかり」と頼まずにはいられない自分がおりまして。
そこでお願いしたところ、出されたものは、こちらもまた意外でした。
皮をむいて、サイコロに切ったセロリを醤油漬にし、それを絹ごし豆腐の上へ乗せています。 脇には茹でた野菜に、カツオブシが散らされております。 さじが添えてあり、すくっては一口、飲んでは二口、という風に嗜むもので、ありました。
同じセロリでも、店によってこれだけ出方が違うんだなあという、人生の醍醐味をまた覚えました。 これだから酒場巡りはやめられませんよね。
では、私はあと二、三軒寄って帰りますんで。 また次回お会いしましょう!
浅草にビール醸造器が店内に設置されているビアホールがあるらしく、今度そこへ行くのを楽しみにしています。
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16/06/28