マッシュルームは安すぎます。
「急に何を」とお思いでしょうがそうなんです、その味のポテンシャルに対してちょっと安すぎやしないかという懸念を抱いておるのです。
干して良し、シチューに浮かべて良し、フォイルにくるんで焼くも良し、マリネにするも良し。
松茸がこうなってしまった今、人類はもっとマッシュルームに着目すべきです。 この香りとコクは、今の十倍の値がついたとしても「そりゃそうだ」と納得させてしまう風味です。
余計な調理は必要ありません。 何なら石づきだって落とさなくても良いのです。
マッシュルームの表面をこすって汚れを落とし調理前までレモン水に浸しておく、とかそういうこざかしいマネは不必要です。
買ってきたら半分に切ってアルミフォイルに乗せ、塩をパラパラしたら上からレモンをジュッと絞り、口を閉じて中火で2分火にかけるだけ。
もうこれだけで絶品が生まれます。
ホントは動画や写真なんて撮影しているヒマなんて無いんです。 焼けたら即、何もかも放っぽらかしてカブりつきたい所でして。 実際1テイク目では我慢できずにそうしたんです。
もしも私が酒場の店主なら、このフォイル焼きにゴ、ロッピャクエンの値段をつけるはずです。 そしてそれを食べたあなたはつい、シ、ゴヒャクエンを支払いたくなる満足感に満たされる事でしょう。
「何ね急にシャンピニオンって」
と思われましたか? フランスではマッシュルームをこう呼ぶんです。 何となくテキストに変化が欲しかったのでこの見出しをつけました。
さて。
上のフォイル焼きでもうマッシュルーム料理の白眉に辿り着いたと満足しそうになりましたがあと一歩前に進みたいという欲が噴出しました。
シャンピニオンを四つ割りにしてオリーブオイルで手早く炒めます。 すぐさまボールに移して刻みニンニクをこれでもかと入れてあえます。
「ニンニクも一緒に炒めて薫りを出してからマリネしたら旨かろうなあ」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、主役はあくまでもシャンピニオンなので、ニンニクにいきり立たれても困ります。
ちょっと黙っていてほしいのです。
熱々のシャンピニオンと合わせられたニンニクは、生でなく、火が通っているでもない絶妙な熱の入り加減をします。
それがまたパンチになります。
何ですと、「しっかり火を入れなきゃ臭うから心配」ですって?
社会的距離を考慮しなければならない今ですもの、在宅勤務に励んでいる今こそ! 存分にニンニクの薫りに包まれたら良いのです。
パセリを散らしてレモンをたっぷり絞り、塩・胡椒で整えます。
食べてみてください。 何ですこの旨さは……好みでワインビネガーをたらすのもオススメです。
もしも私がビストロの店主なら、このマリネにハチ、キュウヒャクエンの値段をつけるハズです。 そしてそれを食べたあなたはついセン、ニサンビャクエンを支払いたくなる程の満足感に満たされる事うけあいです。
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20/08/25