キーマカレーに関しては、もう究めたつもりでいたんですがねえ……意外な事実が判明しました。
このウェット系キーマ、大人にはすこぶる評判が良いものの、キッズにはいささか不評なんです。
「どうしてカレーなのにサラサラしているの? カレーはもっと、ポッテリしているものでしょう」
と。
みんなの少ない人生経験上、そう考えてしまうのも無理はありません。 何せこの国民食であるカレーは、給食でも市販のものでも総じてルーを用いた帝国主義的な一皿を「これぞカレーなのである」と決めつけてしまっているからです。
そこで私はこの度、将来を担う子供達に向けて、歩み寄りの印としてポッテリ系キーマカレーのレシピを考案するに至りました。
しかし、そのキーマは調べてみると8年前にすでに作っておりましたので、いっちょうドライなキーマを生み出す決意をしたのです。
家族に夕食を食べさせた後、さっそくキッチンに籠ってひき肉を炒めはじめましたよ。 そしたらああた、プツンと停電ですよ。
左様、台風9号の襲来です。
この大型で非常に強い台風9号であるメイサーク氏は、上陸こそしなかったものの長崎の西近海をズズズイと北上し、「危険な勢力」とメディアが報道していた通り、ではなくそこそこの風を吹きつけながら遠ざかって行きました。
幸い大した被害はなかったものの、電力という現代人にとって必須であるエネルギーを遮断してくれたのです。
カセットコンロを引っ張り出してスマホで鍋を照らしながらひき肉を炒め終る所までは調理しましたが、これ以上続けるのは危険だという判断をしてそぼろとして翌朝の食卓へ出す事となりました。
気を取り直して再びひき肉を炒めていた所、なんですか一体。
左様、台風10号(Haishen)の襲来です。
こう続け様に台風が接近してきた事は記憶にありません。 しかもああた、特別警報級だしこれまで経験した事のないような勢力で九州に接近しているではありませんか。
家族は恐怖に震える中、台風の勢力と進路を分析して言うほど大した台風ではない事を見切った私は「安心しなさい」と諭しながらせっせとひき肉を炒め続けておりました。
すると突然、電気は途絶えたのです。
3日ぶり2度目の停電に、目を白黒させて慌てふためくかといえばそうではありません。
こうなる事も想定して発電機や非常食の準備をしていた私はそのひき肉を冷凍うどんの上にトッピングして皆に振る舞いました。 そして三度目の正直で、いざ出張に行かんとする慌ただしさの中でまとめたレシピをこうして書いている午前11時4分が今なのです。
もちろん親戚も含めて子供達大絶賛のカレーに仕上がった事は云うまでもありません。
何かしら、普段使わない食材を入れるカレーは楽しいものです。 今回であればピーマン。 これはこのカレーのキーとなる食材ですのでぜひたっぷりご用意の上刻んでください。
玉ねぎ、ニンニク、ショウガといったおなじみの面々を一緒にみじん切りして、たっぷりのバターで香り立つまで炒めます。
実はこのカレー、子供達自身も調理しやすいよう設計しておりますので非常に簡単です、ぜひ今度の休日にでもお子さんと一緒に試してみてください。
ひき肉を加えて炒め合わせますが、合いびき肉が良いもんです。
肉の赤味が消えた頃、ピーマンを加えてザックリ混ぜて、塩とカレー粉を加えます。
トマトジュースと水を注いで一旦汁気を足し、ソースとケチャップで簡単な調味をして、隠し味の干しブドウを加えたらチリチリするまで水気を飛ばすと完成です。
ご飯の上にキーマを盛り、茹で卵をトッピングしてパセリでも散らします。
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20/09/15