千枚漬け

千枚漬け

聖護院かぶらとネギの炊き合わせを食べてからというもの、すっかり聖護院かぶらに魅せられてしまったオイが次に作るのは千枚漬けです。

千枚漬とは何かというと、聖護院蕪の薄切りを塩漬けしたものにみりん等を加えて漬けこむ京都産の漬け物であります。 簡単に作れますし、もちろん美味しいです。 聖護院かぶらが手に入らなくとも、大根で作ればよいわけですから是非お試しください。

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聖護院蕪

聖護院かぶら(蕪)

それでは聖護院かぶらを用意します。 近所のスーパーで売っているのを見かけたこともありますが、大根やカブほど普及していないみたいです。

聖護院かぶらが見当たらない場合は、大根で作ってみてください。 実際試してみましたが、間違いなく美味しかったです。

※辻嘉一氏の「辻留 ご馳走ばなし」の中に千枚漬の項目があり、このように書かれてありました。  年末になると漬物屋に贈答用として千枚漬の注文が殺到するそうで、はじめは尾張大根で作られるが、少し遅れて出回る近江かぶら(聖護院かぶら)で 作るのが本格の千枚漬であり、味わいにおいても大差があるとのこと。


切る

聖護院かぶらの皮をむいて…


薄切り

包丁が透けてみえるくらいに薄く輪切りにします。 なーに少々厚く切れたって問題なしです自分で食べるんですから。

※漬物屋さんは千枚漬用にあつらえた大型のかんなを用いてかぶらを薄く切るそうです。 かぶらひとつが20枚くらいに切れるのだとか。 およそ2.5ミリほどの厚さにスライスするそうです。


塩水

海水と同じくらいの塩水を作り、そこへ薄切りのかぶらを浸しておきます。 普通海水は3.5%程度の塩分濃度らしいです。

※今回は津村喬氏の「ひとり暮らし 料理の技術」にある大根を使った千枚漬の作り方にならい、塩水に漬け込みましたが、 白菜漬けのようにかぶらに直接塩少々を振り込みながら漬けるのが主流のようです。

漬け込む

漬けこむ

塩水に漬けておいたかぶらを取り出し、昆布を敷いた容器に入れて、上から輪切りにした唐辛子を散らして漬け込みます。 これにて千枚漬の準備完了。 あとは漬け上がりまで待ちましょう。

※「辻留 ご馳走ばなし」には、「塩を振って漬け込んだあと、2日目には食べられる」とありましたので、塩水にかぶらを2日間 漬け込んでみました。 その後昆布と唐辛子をと所々散らしたあと、重石をして1日おいて完成としました。 ほどよい塩加減と、多めに入れた唐辛子のおかげで自分好みの千枚漬になりました。 辻嘉一氏 は重石をして5日ほどで食べごろになると書いておられますので、漬け込む時間はときおりつまみ食いなどしながらお好みで調整するとよいのではないでしょうか。 一応、 「辻留 ご馳走ばなし」より、漬け込む際の記述を引用しておきます。


千枚漬け

木製の酒樽の蓋を取り除いたのへ、塩を少々ふりながら漬け込み、連続の丸くて薄いかぶらの一個分の板状になったのを次から次へと漬け込んでゆくのであります。 二日目には 食べられるのですが、今度は味をつけるために、別の樽へ漬け直しますが、その時、それぞれの店の自慢の味付けがあり、昆布を間にはさんで、味醂とか甘味のものをふりかけて一日越したら売品と なるのであって、短日に出来上がります。

しかしながら、各店において味つけがかわるので、求める時に試食するくらいの「きびしさ」があればよいと思います。


千枚漬け

以上千枚漬でした。 聖護院かぶらの皮をむき、薄切りにして塩水に2日漬け込み、その後昆布と唐辛子を散りばめながら重石をして1日漬け込むという風に作ってみました。

味つけとしてはそれこそお好みでしょうし、甘めがよかったらみりんなど加えるとよいかと思われます。

千枚漬が気に入ったら、檀流クッキングの紫蘇の千枚漬や、 酢カブもお試しください。


千枚漬けのツボ

  • 壬生菜の塩漬けを刻んで添えると千枚漬が引き立つそうです。 かぶらの純白に対して緑が必要だそうです。
  • 普通の大根でもお試しください。

おさらい

聖護院かぶらの皮をむき、薄切りにして塩水に2日漬け込み、その後昆布と唐辛子を散りばめながら重石をして1日漬け込む。

08/1/21


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