子供たちの通う保育園をたずねたところ、ちょうどおやつを作っている最中でした。
レンコンを素揚げにして、れんこんせんべいを作っているのだと、給食先生(こう呼ぶそうです)は言いました。
揚げたてをかじってみるとかなりおいしくて、これにチリペッパーでもふってつまめばビールが相当イケるだろうな、と昼間から妄想してしまいました。
脱線してしまいそうです。 気を取り直して今回は、れんこんを甘酢に漬け込む酢ばすを作ります。
まずは手ごろな大きさのれんこんを用意しましょう。
れんこんの皮をむいて、酢をたらした湯で45秒ぐらい茹でます。
※れんこんには粘る成分であるムチンという成分が含まれていて、切り口から糸を引いたりしますが、酢を加えて茹でる事でムチンが粘りを失い歯切れよく仕上がります。 又、レンコンはアクが強く、そのまま煮ると色が悪くなりますが、酢を入れる事により白く仕上がります(ムチンは動物性に限った成分だというお話もあります2020/08/06追記)。
茹でたらすぐ水にさらしましょう。
水、酢、砂糖を合わせて火にかけます。 沸騰したら、火からおろして冷まします。
各割合は、今回1.5:1:0.5で作ってみました。 お好みで結構です。
つけ汁に水をきったレンコンを投入し、唐辛子を何本かほうりこんでおきます。 2、3時間ぐらい漬け込めばもう食べることができます(ページトップ)。
酢ばすの成功を祝ってもう一品作ってみます。
梅干を壷から取り出して種を抜き、醤油少々を加えて庖丁で叩きます。
酢ばすを作る時のように処理したれんこんを梅肉と和えるとできあがりです。 梅とよく調和しています。
最後にとっておきのれんこん料理をどうぞ。 ちょうど冷奴中華風やナムルを作る時のようなタレをこしらえて、 それに下処理をしたれんこんをあえればもうできあがりです。
材料が揃わないときは醤油と胡麻油をかけまわすだけでも結構です。
丸元淑生のシステム料理学にこうあります。
蓮根は「厚め」に皮をむき、「酢水に一時間つけて」あくを抜く。 つぎに酢を加えた熱湯のなかで十二、三分ゆで、ざるにあげて熱いうちに塩をふる。
「三杯酢」に同量の水と削りがつおを加えて煮立て、さましてふきんでこして蓮根を「薄く切り」その中につけこんでおく。
「蓮根の色が悪いときは」その汁でもう一、二分煮てもよい。
カギかっこは私がつけたものである。 皮を厚くむいて薄く切り、酢水に一時間もつけた上に十二、三分も酢で煮たような蓮根を昔の日本人が食べてきたかどうか。
それを砂糖の入った三杯酢のなかにつけるというのであるから、もはや日々身を養うための料理ではない。
と。 蓮根のあくは栄養のうちである。 ともあります。 さらにレンコンの皮はむかずに表面をたわしでよくこすってから調理するそうです。 すべての野菜は皮にたくさん栄養があり、皮を厚くむいてしまっては、栄養は半分失われたに等しい、と書かれています。
もうひとつ。 料理歳時記の中で辰巳浜子さんはこう書いておられます。
「はすの色がきたなく煮えるので酢水にさらす」とか、「茹で水に酢を少々落とす」、これが調理のうえで常識化していますが、私はそんなことに無頓着です。
酢の味をつけるもの(酢ばす、揚げて甘酢につける)以外は、水にさらすだけで直煮をします。 下茹でをいたしません。 蓮根の持味を殺さないほうが少々色が黒くても美味しいと考えるからです。
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09/09/09