アラカブを釣りにいったら、イシダイが釣れましたうれしいな。 というのは嘘です。 さすがにそんなわけありません。 自分でおろして食べたことがなかったので、魚屋さんで買ってきたわけです。 石鯛を満喫してみようかと、考えております。
今回用意した石鯛は2kg程あるものです。 クチバシ状になっている歯をよく観察してみると、小さなハニカム状の歯が癒着して、くちばし状に形成されています。 この歯でウニや貝、甲殻類をバリバリと噛み砕いて食べているわけです彼らは。
体側に7本の黒い帯がありますが、年をとってくると消えてきます。 引きの強さから磯釣り対象魚としても人気です。 夏が旬。
そんな石鯛は、皮がうまい魚だという情報を、魚屋から仕入れました。 なので刺身にする場合、表面の皮はつけたままサッと炙って、食べてみます。
まずは魚屋直伝の「皮すき」で、石鯛のウロコを剥ぎ取ります。 包丁をつかってギコギコやりますが、別に金タワシでゴシゴシこすたってかまいません。
皮をすくことができたら、3枚におろしていくわけですが、注意点をひとつ。 右図の部分、すなわち石鯛の頬の部分です。 この辺は、カミソリの刃のように鋭利です。 指なんかスパスパ切れてしまうので注意が必要であります。
ということで石鯛を3枚おろしにしました。 身がよくしまっていて、雪のように真っ白な身です。 ちなみにアラ(骨)は味噌汁に仕立ててもよいですし、頭はカブト焼きで食べるのも美味です。
3枚おろしにした石鯛の身は、短冊に切り分け、皮付きのまま表面をサッと炙ります。 カツオのタタキでお馴染みの檀システムなんかがよいかもしれません。
石鯛の刺身。 箸で持っている部分はエンガワで、3枚おろしを丁寧にやると、ゴッソリとついてきます。 淡白な中にもしっかりとした味わいがある極上の刺身であります。
皮がね、炙られたことにより少し縮んで、プリプリとした食感をしているわけです。 そうです、皮付きで大正解だったのです。
頭は半分に割り、少し塩をして、オーブンで焼いてレモンで食べると絶品。 こんなにうまいカブト焼きは食べたことありません。 とにかく石鯛は皮がウマイということを再確認させられるのでした。
ここでもない、あそこでもないと、身のゴッソリある部分を探しだしながらむしると、 豚足を食べるときににも似た楽しみがあります。 その他残ったアラは、お味噌汁にでもして食べます。
当然皮をすいてみても石鯛の刺身は美味しいのです。 腹側の身は専ら皮すきで食べます。
すいた皮は、ウロコを丁寧にとり、叩き潰したショウガ、酒少々を入れた湯で茹でます。 あとはポン酢をかけて食べるだけ。 鯛の皮と同じです。
石鯛の皮は「これ本当に食べれるの?」と思えるぐらい厚くて固いものですが、茹でるとコリコリとした程よい食感になります。
今回はさらに、石鯛の腸もキレイに掃除して茹でました。 鯛の腸と比べると長く立派な腸をしておりますが、やはりつまみとしてはよいものなのです。 ブリのモツポンの要領です。
イシダイによく似た(ていうか模様が変わっただけのような)イシガキダイという魚がおりますが、 こちらも美味しい。 好きです。
06/08/09