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京都の酢豚

京都の酢豚

先日書いたご夫婦は京都にも詳しいそうで、なんでも古都における中華料理は高級な店から学生向けの安くてボリュームのある店まで大小様々ざます、という事でしたが、

こちとら中華街所在県に在住している人間でありますから「そんなの長崎にもありますばい」とスカしていたら、どうやら事情が違うみたいでして……。

京都には、独自に進化した中華料理が存在しているのです。

話を聞けば、誰もが知っている中華のメニューでも、ニンニクを使っていなかったり、スイーツのように甘口だったり、春巻がパリパリしていなかったりするのです、と。

「えーうそやん」

と思いながら少し検索して出てきたのが、姜 尚美さんの『京都の中華』という一冊でした。

姜さんの事は偶然にも東海林さだおさんの丸かじりシリーズのあとがきを書いておられて名前は知っていたのですが、まさかこのような名著を記されていたとは…。

読み進むうちに、私は京都中華の虜となったのです。

鶏ガラスープと昆布で引く出汁。 花街のお茶屋さんや芸者さん、旦那衆がお客だから匂いのするニンニクは用いず油も控えめ、具が小さめな中華。

え、卵皮で細切りタケノコを山ほど包んで揚げる春巻き!?

もはや想像するだけでは事足らず、気が付けば京都駅に降り立っていたのです。

『京都の中華』を手に地図を見ながらプランを立てます。 思えば数える程しか京都に行ったことはありませんでした。

日が暮れはじめる頃、あえて徒歩で祇園を目指しました。

何でしょうかこの町屋の美しさは。 もはや目的を忘れて呆然と立ち尽くした事が何度もありました。

夜の街を語るならば祇園を知らずしてどうするのか、と今さらながら気づかされました。

この芸術的な街を擁する京都を羨ましく思う反面、こんな街が現存している日本という国を誇らしくも感じました。

さて、一軒目の中華料理屋さんはこの辺で…と不自然に奥まった路地を進んだ先にある一軒に辿り着いたのは良いんですが、ここで春巻を食べるつもりだったのですが、なんと屋根の修理で臨時休業でして。

やるせない気持ちになりながらも今度はかに玉を食べるべく次の店を目指しましたら…なんと店休日でした。

後で判明したのですが、京都のお店は平日に二連休する店がかなり多いのです。

もう何日か滞在するつもりですので気を取り直して向かった先は、酢豚を食べるべきお店です。

作り方

店休日ではないかとハラハラしながら向かったら、営業しておられましたっ!

席に着くなり酢豚です。

普通酢豚というと、具沢山で物議を醸すパイナップルが入っていたりと賑やかな感じじゃないですか。

でも京都の酢豚は、

豚だけ!

なのでした。

芸妓さんも食べやすいように小さく切られた豚肉。 普通の中華料理なら必須である各種調味料を一切用いず日本料理に用いるものだけで造り上げられた味。 食べている姿でさえ粋でありたいからこその枝葉を切り落とし、幹だけを残した一皿。

こんな美しい酢豚を見た事がありません。

一口つまめばその優しい味がどのように生みだされているのかは検討がつきましたが、どうして人々はこれまで「酢豚は盛り沢山でならなければならない」というパラダイムに縛られ続けていたのでしょう、

目からウロコです。

豚肉は、脂身のないモモ肉です。 コッテリしてはアカンのです。 昔はサイコロ大に切り分けていたそうですが、最近は徐々に大きくなってきたそうです。

衣は水、卵、片栗粉、塩を合わせてよく混ぜたもの。 これに肉を入れて丹念に20回もみます。

あとは180度の油で4分揚げたら揚げ豚のできあがり。

甘酢あんは、まず鍋に砂糖、水、水あめを入れて煮溶かして、酢と醤油を入れたら軽くトロミがつくまで煮詰めるだけ。

揚げ豚を器に盛り、上から甘酢をたらしたらハイ、京都の酢豚のできあがり。

これはご飯のおかずではなく酒の肴としての酢豚の有り方なのです。 熱燗を呑みながらつまみましたが、胡麻油が欲しいとか、生姜のパンチを効かせたい、なんてまったく思いませんでした。

追加で焼豚と紹興酒を注文したら、冷めないよう温かいフキンでその瓶を丁寧にくるんで差し出してくれた女将さんの優しさが忘れられません。

レシピのツボ

  • とにかく試してみてください、味は保証いたします。

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20/08/01



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