開高健氏は著書「最後の晩餐」でこう書きました。
「味の素」を発明し、「トンカツ」を創案しカキをフライ にすることを思いつくなど、日本人の味覚と創意はなかなかのものなのに、中華料理とモツ料理についてはまるでミミズのように目もなく耳もないかのようである。
日本式中華料理の堕落はいくつでも特徴をあげることはできるけれど、 筆頭のソレはやはりむやみに砂糖を ほりこんでドタドタと甘くしてしまうことだろうし、香辛料のカドが立っていないことだろうし、 粉飾に熱中して本質の抽出を怠っていることであろう。
日本全国どこの大衆食堂でもたべられるスブタはただもうキャラメルみたいにドド甘くネバついているが、秋の水のような澄明が酢にはあるのだ、 それこそ酢の持味なのだということがまったく忘れ去られていると思いませんかね、アナタ。
文学だろうと、音楽だろうと、香水だろうと、料理だろうと、甘はもっとも幼稚、ことに砂糖のソレはまったく浅薄なものなのである。 シュンの山菜に含まれるあの気高いほろにがさに眼のないあなたが、いっぽうでキャンディーみたいなスブタをよく平気で食べられるものですネ。
何も私は雲上のごちそうのことをいってるのでは なくて、誰もが食べられるスブタのことをいっているのですよ。 話はスブタなんだ。 スブタ。
とこのようにおっしゃいます。 モツ料理に関しては、檀一雄氏がこのようにおっしゃってます → ブタの足と耳。 ここは日本人として、ひとつ甘さにたよらない、美味しいスブタを作ってみたいと思います。
今回はブタのモモ肉を使いますが、べつにヒレ肉だってかまいません。 適当な大きさに角切りにします。
角切りにする前に、肉の表面に薄く碁盤の目に切りこみをいれておくと火のとおりがよくなります。
適当な大きさに切ります。
適当な大きさに切ります。
適当な大きさに切ります。
適当な大きさに切ります。 今回は干しシイタケを戻して切りましたが、その戻し汁はとっておいて、のちほど甘酢ダレを作る際に混ぜます。
さて賛否両論(ほとんど否のようなきもしますが)分かれる酢豚におけるパイナップル問題ですが、今回オイは子供達が好きかな? と思って入れることにしました。
普段はあまり入れません。 その他の具材はレンコンやグリンピース、赤ピーマンなんかもオススメです。
ネギとショウガをこまかくネバリが出るほどみじん切りにします。 お好みでニンニクを追加してもよいです。
ボールに鶏がらスープ(もしくは水)、醤油、酢、砂糖、酒、片栗粉少々を入れて、 先ほどのネギとショウガのみじん切りを加えてよく混ぜ合わせると、甘酢ダレのできあがりです。 甘酢ダレというぐらいですから、甘酸っぱく仕上げます。
※甘酢だれのレシピもどうぞ。
はじめに切っておいた豚肉に衣をつけて揚げます。 ボールに水、片栗粉、卵一個、塩少々を入れて、肉によくまぶしつけます。
※ヌタ・スブタもどうぞ!
鍋に油をたっぷりと入れて強火にかけます。 ためしに肉をひとつ入れてみて、勢いよくアブクがたつぐらいに温度が上がっていたら、 随時豚肉を投入して、こんがりとキツネ色に揚げます。 強火で揚げることにより、衣はカリッと、中はジューシーに仕上げます。(肉同士がくっつかないように注意します)
※この際、揚げあがりがあまりにも美味しそうなのでついついツマミ食いをしてしまいがちです。 ですから肉は多めに用意しておいたほうがよろしいかと思われます。 ちなみにこの揚げた豚肉を胡麻油で瞬間炒めて、紹興酒を鍋肌に回し入れ、 鶏の唐揚げのときのようにレモンと塩山椒で食べると大変美味しいツマミになります。
具に使用する野菜が火の通りにくいものだった場合は、あらかじめ軽く下茹でしておいたほうがスムーズです。
鍋に油を熱し、まずは野菜をサッと炒めます。
頃合を見計らって、揚げた肉を投入し、よく混ぜ合わせながら全体に火を通します。
最後に甘酢ダレを全体にからめて、仕上げに胡麻油をたらすと酢豚の出来上がり。
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06/12/14