まだ今ほどラーメンが複雑ではなかった時代、とある商店街に古びた一軒のラーメン屋がありました。
「中華そば」と表現したほうが近い変哲もない醤油味の一杯三百五十円のラーメン。 これをススるのが毎週末の楽しみだったのです。
この店には、いつ行っても同じ席に腰かけて新聞を読みながら叉焼をつまみにビールを飲んでいるおじさんがいて、
こちらに気がついては、素朴な麺の上にその叉焼を三枚分けてくれるのでした。
「外側はほんのり甘く、内側はスコンと腰の抜けた柔らかさ」
舌の記憶をたよりに再現してみたところ、かなり忠実に仕上がっていると私自身が言っています(笑)。
この叉焼はバラではなく絶対「カタ」です。 まずはタコ糸で体よくしばり、小鍋に入れたらニンニクとショウガを添えて水を注ぎ、醤油をたらし、砂糖を足したら準備完了です。
あとは弱火でコトコト一時間、気長に煮るだけです。
煮はじめにはアクが浮かぶので気がむいたらすくい上げ、
フタを閉じて煮るんです。
時折様子を見ては、煮汁を肉の上からかけてみたり、途中肉の上下を返してみたりと面倒をみてあげたほうが楽しくもあり又、 美味しく仕上がるでしょう。
煮汁がワーと沸いてきて、肉に照りが出たら煮あがりです。
好みの厚みに切り分けて肴とするも良し、
ラーメンのトッピングにしても又最高です。
昭和が恋しかです。
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18/11/22