十年以上前からずっと気になっていた駒形どぜう、にこないだようやく行ってきました。
ものすごく後悔しましたね、どうしてもっと早く向かわなかったのだろう、と。
あれは13年前、実はどぜう鍋を自作した事がありました。 せっせと活きたどじょうを買いこんでは不慣れな食材にヤキモキした事をよく覚えています。
それで知った気になっていたんですねドジョウを。 自作した鍋をつまんだ時も「あなるほどね」という程度の印象しかありませんでしたし。
ところが!
やはり老舗の仕事は違いましたねカンペキです。
丸々と肥えたドジョウはホロホロふっくらと煮られ、ダシを存分に吸い込んだ身は淡泊ながらもどこかウナギを感じさせる脂気があり、とても上品です。
ネギを山盛りにして割下を注ぎ足しては山椒を散らして黙々とつまむ…これがまたこの店の為だけに造られた日本酒の旨い事!
都合二本猪口を空けた頃にはスッカリ鍋も完食しておりました。
炭火の加減や鍋の大きさも、長年の営業により培われた不文律によるものなのでしょう、全てに美がありました。
つまんでいてすぐ思いついたのが「家に帰ったらキビナの丸鍋試してみよう!」というアイデアでした。
サイズ感がドジョウとよく似ており又、この調理法で食べるときっと旨いという経験上の確信がありました。
結果大成功ですこれ。
ただ私たちの地域ではキビナとはありふれた魚になりますが、皆さんの所ではいかがでしょうか。
しかし別にキビナにこだわる必要はなく、稚鮎やワカサギ等で作ると相当イケるハズですよ。
まずはキビナをカツオの出汁でしっとり煮てほしいのです。
身のホロホロ感を出したいのとキビナの風味を補強するためそうします。 煮る時間は30分以上が望ましいです。
身を崩さないよう静かに煮込みます。
この際ついショウガを入れたくなりますが、するとその味が勝っちゃいますので遠慮しておきます。
煮たらしばらく置いて粗熱をとり、浅鍋にキビナと煮汁を移します。
あとはとろ火にかけて、めんつゆを注いでは七味を散らし、パクついてはネギを盛り、今度は山椒を振ってはつまみあげ、汁が煮詰まってきたらめんつゆを足し、キビナを食べ切ったらネギだけを鍋に山盛りしてめんつゆを回しかけて七味を振ってはムシャついて歓喜する、という具合に事は運びます。
ネギの美味しさにもきっと、驚かれる事うけあいです。
19/08/14