この前は半熟卵に少しこだわりをもって取り組んでみましたが、 今回は目玉焼きを上手に焼いてみます。
普段なにげなく作っている目玉焼きもちょっと手間をかけるだけでこんなにも美味しく美しくなるとは驚きです。 試してみる価値アリですよ。
「めだま焼きなんて鍋に油をひいて、割って水入れてふたしてハイできあがりってものでしょう?」 なんてお方は、是非一度この作り方で作ってみて下さい。
まずは今回の条件としまして
と、いうようにやってみます。
このような規格が定められています。
コンロの両側にレンガを置いて、その上にフライパンを乗せます。 これは火と鍋底間に距離をおくためです。
美しい目玉焼き作りには、火力に細心の注意が必要なのです。
※ちなみにスクランブルエッグやオムレツでは、 強火で多めの油にて一気に仕上げたほうがよいです。
火加減は、ごく弱火でお願いします。 コンロの最小レベルまで出力を弱めてください。 IHコンロの場合でもやっぱり一番「弱」でお願いしときます。
フライパンをごく弱火にかけて、フライパンが温まってきたら、油をひきます。 余分な油はふきとるくらいの気持ちで、薄く薄く油をひくのです。
ちなみにフライパンはなるべく厚手のものを使用しましょう。 もしも厚みが十分あるならば、上に書いたレンガで距離をとる必要はなくなります。
※油が多いと、白身に穴がボコボコ開いたりします。
いよいよ卵を割り入れるわけですが、ここでひとつご注意を。 卵は黄身の盛り上がった新鮮なものを使用しましょう。
そして、「たまごご飯」をやる際によく見かける白い物体カラザ。 これは卵内で黄身と殻をつなげる役目がありますが、きれいに取り除いておいたほうが失敗がありません。
せっかく手間ひまかけて焼いて、いざフタを開けるとそこにはカラザのなごりが(破線部分)。 カラザを取り除かないとこのような悲惨な結果になります。 でも取り除こうとムキになりすぎると・・・。
フタをしめているので誰からも見えないことをいいことに、勝手に黄身が流れてしまっております。 これはカラザとりにムキになって励んだ結果、 卵の黄身にわずかな穴が開いたのでしょう。 焼いているうちに少しずつ黄身が流れていったものと考えられます。
卵が新鮮であればあるほど、カラザはしつこいので注意が必要です。
さて、カラザを適切に処理できたところで焼きはじめます。 弱火であることを確認しながら、卵をフライパンに入れます。
この際フライパンが少しでも傾いていると、その方向へ白身が流れていき、少しカッコワルイ目玉焼きになるので、フライパンはきちんと水平に設置しておきましょう。
卵を入れて、即フタをします。 そして8分〜10分程度、待つのです。
フタを開くとなんとも美しい目玉焼きがお目見えします。
フライパンからも簡単にはがれるし、表面にはうっすらと白い膜が張ります。
ちなみに今回の焼き上げ時間は8分ジャストです。
ご家庭の環境にあわせて若干の微調整は必要だと思いますが、この方法で、美しい目玉焼きが必ずできます。
いやー黄身を崩すのが実にもったいない。 でも黄身は崩して食べるために作られたのです。
ちなみに表面に膜を作りたくない場合はフタをせずに同じように焼くとよいです。
玉村豊男の『食いしんぼグラフティー』にのってた目玉冷飯の作り方です、カンタンです。 あまり気を使わずに、目玉焼きを作り、前の晩に炊いたメシの残りの上に乗せます。 そして醤油をかけてワシワシ食うだけです。 ちなみに冷や飯は、柔わめに炊いたものの残りがよいそうで、冷蔵庫で冷やしたものはいけないそうです。
東海林さだおさんが丸かじりでウズラの目玉焼きというものを思いついたとか書いてありましたのでマネしてみました。 ウズラの殻は膜が固くて割りにくいので、卵を横にして包丁で尖っているほうを切ります。 すると綺麗に先端だけがちょん切れます。 それを極弱火のバターをひいたフライパンに落として焼きます。 黄身の色が鮮やかでかわいらしい目玉焼きが出来上がります。
※そういやウズラの燻製卵というものを居酒屋で見かけたことがありました。 ツマミに最適でした。
たまごは強く加熱をされると、荒い状態で固まります。 結果口当たりが悪くなります。 一方じんわり加熱すると、黄身も白身も柔らかな口当たりに仕上がります。
これはたまごのたんぱく質が、温度上昇に非常に敏感だからです。 ちなみに目玉焼きを焼く際に、水を加えると、水っぽくなってしまいます。 それは卵白が水に溶けやすく、水で薄まるためであります。
05/11/20