冬の朝、白菜のおしんこで食べる熱いご飯ほどおいしいものはない
と東海林さだおさんは書いておられます。
白菜漬けを自作してみると、この意見に異論を唱えることはできなくなります。 ありふれた、どこにでも売っている安価なものである食品だからこそ、 自作してみるとその美味しさがよくわかるというものです。 塩分調整も自由自在、分量もお好みで、お手軽に白菜漬けを作ってみようではありませんか。
白菜漬けをはじめて作るならば、やはり真冬にしていただきたいと思うのです。 冬の白菜の旨さはパンパではありません。
葉先の青い部分は鮮やかで、根元の白い部分は水々しく厚みがあり、 一株持ってみると想像以上にずっしりと重く、縦半分に割ってみると、葉が幾層にもしっかりと巻いている・・・。
こんな冬の白菜を一株でも半株でも1/4株でも買ってきます。
そして作る分量にあわせて半分や1/4にカットして、日の光の下で1、2日干します。 あらかじめ干しておくことで、白菜の水分が濃縮されて、甘みがでます。
1日経つと、このように白菜がしんなりとします。
水で汚れをよく洗い流します。 外葉が痛んでいる場合は取り除いておいて、 別にのけておきます。 この葉はあとで漬ける際に表面を覆うために使用しますので捨てないでください。
白菜漬けを作るにあたり、塩の他に用意しておきたい材料としましては、 まず昆布。 お好みにもよりますが、白菜1株漬けるにあたり、 昆布20センチ程度でよいのではないでしょうか。
次は唐辛子。 お好みで2、3本タネを抜いて用意しておきます。 さらに柚子の皮をけずっていれておけば、爽快な風味が加わりますが、これはお好みでどうぞ。
塩は白菜の重みの4パーセントの分量を用いて作りました。 (白菜が1キロならば40グラム) お好みで5%でもよいですし、 こだわらなければ適当に構いません(辛すぎると食えません)。
塩の種類としては本当はきめの粗い『粗塩』がよいのですが、 手に入らない場合は精製塩でも結構です。
塩は均等にふりたいため、まずは白菜を漬ける容器の底へひとつかみまんべんなく投入し、 その後白菜の葉の枚数によって均等に割り振りを行っておきたいものです。 最後に一番上から振りかける塩は少し多目がよいのでそのおつもりで。
※塩だって自作できます→塩の作り方
塩を振った容器に、水切りをした白菜をキッチリとスキマのないよう敷きつめ、 塩を振り、昆布、唐辛子、柚子の皮をそれぞれ配置します。
そして二段目は一段目と交差する方向に白菜を敷き詰めます。 ジェンガを積み立てるときのように、隙間無くキッチリと白菜を並べ、塩を振り、昆布、唐辛子、柚子の皮を配置し・・・。 と、これを白菜の枚数分繰り返すわけです。 そして最後の段まで積み上げたら、さきほどのけておいた白菜の外葉で上からくるみ、残りの塩を振ってしまいます。
積み上げた白菜の上に、押しフタをして、その上に漬物石をのせます。 漬物石の重さは、白菜の重さの2倍程度がよいです。
2、3日すると、水があがってくるので、重石をはじめの半分程度のものに変更します。 4、5日目からは美味しい白菜漬けを食べることが出来ます。
※重石が軽すぎると、2、3日しても水があがらず、臭味がでてくるので、 まずはじめに『重め』の重石をするわけです。 水があがってきてからは、 重石を軽くしないと白菜が筋っぽくなってしまいますのでご注意を。 逆に水があがりすぎた場合はその分捨てます。
朝ごはんに白菜漬けというのは最高のものでありますが、 晩酌をしたあとのシメに、 白菜漬けで寿司風にご飯をくるんでいただくものなんとも美味でありオススメでもあります、どうぞおためしを。
近頃よくやるのが白菜のチョイ漬けです。 白菜を水洗いして日陰に干し、乾燥したら2〜2.5%の塩をまぶしてビニール袋へ。 口を閉じて軽く揉み、 重石をして冷蔵庫で半日寝かせます。 白菜の美味しい真冬ならば、こんなシンプルな作り方のほうが、かえって白菜の旨味を感じるものです。
あらかじめ白菜を刻んでから仕込むと、より早く漬かります。
07/02/03