酒場で「まるで鶏のから揚げ!」というデカ文字のおすすめメニューを見つけたので注文したら、まんま鶏のから揚げだったのでナメとんのかと思いきや、なんと大豆由来のソイミート、 という物質を使った揚げ物だそうで驚きました、まんまですまんま鶏。
でもべつに、まんま鶏なら鶏のから揚げ食べればよかろうもん、とほっといたらちょうどテレビ番組にこの唐揚げが出てきましてね、「アッ!」と。
同時に紹介されていたのがこの「かまぼこもどき」で、なるほどよく考えた精進料理だなあと、試作してみたのでした。
へんてつもない長芋ですね。 これの皮をむいて、
縦半分に切ります。
天ぷら衣をこしらえてそこへ梅酢をたらし、薄紅色に仕上げます。
あとは長芋に小麦粉を薄くはたいて衣をまぶし、180度で3分間揚げるだけ!
粗熱をとってから切り分ければホラ、まるで板かまぼこではありませんか! よく考えましたねまた。
とあたかも何の苦労もなく完成したように書きましたが白状いたします。 天ぷら衣を梅酢で紅色に染めたいワケですよね。
そこで衣に大さじ1杯の梅酢をたらしたところ、たしかにやや紅色に染まりまして「オッ!」となったんです。 もっと紅紅したくてもう一杯たらしたらグッと色味が増したかといえばそうでもなく、
その後いくら梅酢を加えても紅色は深くならなかったんです。 うちの梅干は紫蘇少な目なので梅酢の色は元々薄いのですが、どうやら梅酢だけで板かまぼこ的色味を出すのは困難の模様でして。
腕組みして思案した後、タバスコを加えてみる事にしたんです。 もちろん辛い衣になりますよね。 でも、それでも色味は足りません。 こうなりゃヤケだと手当たり次第の赤いモノ、たとえばトマトケチャップやら粉唐辛子、 パプリカなどを加えて満足できる赤味を出したのがトップの写真なんですよ。
ここまで書くと味が気になりますよね? どちらかというと、あまり美味しい方ではないような気がしているでしょう?
ところがビックリ、メチャ旨い揚げ物が完成してしまったのです。 梅酢の絶妙な酸味とタバスコのパンチ、ケチャップの控えめな甘味。 衣の「サクッ」と長芋の「ジャクッ」。
もはや「かまぼこのもどき」なのかどうかは関係無く、ひとつの長芋料理として完成された一品が生み出されてしまったのでした。
羽生君おめでとう!
18/02/21