日常的に麺を打ちます。
この度、偶然手にした「パスタマシンで麺道楽」という本に影響を受け、我が家にパスタマシンを導入しました。 パスタマシンでうどんや中華麺、もちろんパスタも作ってしまおうという面白い本でした。
それでは早速、本を参考にしながら中華麺を作ってみます。
事あるごとにラーメンを自作して、 色んな人に食べてもらっておりますが、 スープはしっくりと作ることができても麺はどうにも手が出せない状況でした。
だって麺作りに必要なカンスイは手に入らないし、製麺機なんて持っていないしでどうしようもありません。
この難題をまさかパスタマシンが解決してくれるなんて、夢にも思いませんでした。 パスタマシンでラーメン用の麺が作れると読んだ瞬間、速攻パスタマシンを注文した次第です。
では早速中華麺を作ります。
まずは小麦粉を用意します。 およそ10人分作るとして、薄力粉と強力粉を500gづつ、計1kg混ぜ合わせます。
あわせた小麦粉はふるいにかけて、家にある一番大きなボールに移します。
ふるいにかけた小麦粉をよくかき混ぜて、強力粉、薄力粉の混ぜムラをなくします。
水460g、塩10g、そして重曹10gをかき混ぜてよく溶かしこみます。
ラーメン作りによく使われるかんすいのかわりに手に入りやすい重曹を使うのだと「パスタマシンで麺道楽」著者の大森 大和氏はおっしゃいます。
※水は軽量カップではなく、重量で正確に測ることが重要です
かんすいは炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸塩のうち1種類以上を含む食品添加物のことです。
中華麺作りに使われるかんすいには大きく分けて粉末かんすいと液体かんすいに分けられます。 市場では9割以上を粉末かんすいが占めるといわれています。
中華麺作りの際、小麦粉とかんすいを合わせることで以下の働きがあります。
以上カンスイについては「ラーメン 自家製麺の技術」より
ちなみに重曹は炭酸水素ナトリウムです。
麺作りに戻ります。
混ぜ合わせた小麦粉の真ん中にカルデラ状のくぼみを作り、そこへ塩、重曹混合液を注ぎ込みます。 この際、混合液を全部注ぎ込んでしまうのではなく、1〜2割残しておきます。
※麺作りに使われる水の量は、気温や粉の状態により若干変化します。
すぐさま手で混ぜ合わせます。 まんべんなく水と粉が混ざるようにザックリと混ぜ合わせます。
大きな塊がなくなり、粉と水がむらなく混ぜあった状態になるまで混ぜ合わせます。 変に力んだり、押し付けたりしないことがポイントです。
右の画像はもう少しというところです。
ほどよく混ぜ合わせることができたら、ラップをかけて5分ぐらい休ませます。
休ませることでよりいっそう粉に水が行き渡り、生地の正確な固さをつかむことができるようになります。
ラップをはずし、もう一度生地をざっくりと混ぜ合わせます。 そしておもむろに生地を片手でつかみあげ、ギュッと握り締めてみます。
ここで生地の固さを見極めるのです。 冷やご飯を握り締めたのと同じぐらいの固さがベストであるとか、 小動物の筋肉をつかんだ感じだとか、人により様々な表現で一番ベストな固さを表します。
こればかりは何度かやってみて、体で覚えるしかなさそうです。 ちなみに今回は、8割の混合液を加えた時点で冷ご飯を握った固さだと思えました。
少々固すぎる、と感じる場合は、水を少量づつ加えながら混ぜ合わせ、その都度固さをチェックします。
固さが決まったところで生地をまとめあげます。 体重をかけながら、ひとつの塊にまとめあげます。
このような感じにまとまりました。 なんだか表面がひび割れているし、私の麺は大丈夫なのだろうか・・・と少し不安になりますが大丈夫です。
まとめあげた生地をビニール袋に入れ、足でふみこみます。 カカトを使い、両足でまんべんなく足踏みします。 生地が伸びたら一旦ビニール袋から取り出し、たたんでまとめて、 またビニール袋にいれてふみこみます。 計3回ぐらい繰り返します。
※ふみこみは麺にコシの強さを出すための大事な作業です。
ふみこんだ生地をまとめ、ビニール袋に入れて休ませます。 20分以上、せめて1時間は寝かせておきたいところです。
休ませておいた生地を取り出して、一片250gぐらいに切り分けます。
切り分けた生地を麺棒で軽くのばします。 パスタマシンのローラーに通るぐらいの厚み(8ミリ)ぐらいに伸ばします。
ここでいよいよパスタマシンの登場です。
パスタマシンのローラー調節ダイヤルを1に合わせます。 パスタマシンの使い方はパスタマシン(アトラス:ATL-150)をご覧ください。
生地をローラーに通します。 かなり楽しくて、思わずグルングルンハンドルを回してしまいそうになりますが、ごゆっくりどうぞ。 パスタマシンが頑丈に作られている理由がよくわかる手ごたえがあります。
一度生地を通したら、二つに折って、再度ローラーに通します。 この作業を、生地にまだら模様がなくなり、なめらかになるまで5、6回繰り返します。
※生地(麺帯)をあらかじめ2つにわけて、それを重ねてローラーに通すと麺にコシがでます。 これを「合わせ」とか「複合」と言います。
生地が滑らかになったところで次は好きな厚さに伸ばしていきます。 ダイヤルを2に合わせてローラーの幅を狭め、生地を通します。 この作業を1段階づつ、ダイヤルを回しながら行います。
今回は中華麺を作っているのでかなり薄めに仕上げました。 ダイヤル6まで生地を伸ばしました。
伸ばし終えた生地には打ち粉(片栗粉)を両面に振っておきます。 生地が長すぎる場合は包丁で切っておきます。
生地をカッターに通して麺に仕上げます。 今回は1.5ミリ幅に切り分けています。
切り分けた麺にはすぐに打ち粉をまぶし、まとめて容器に並べます。
麺の美しさに見とれてしまいます。 自分で打ったとは信じがたい完成度です・・・では早速茹でてススろうではないの!
ちょっと待ってくださいね。 作りたての麺は寝かさなければなりません。 最低でも一晩、できれば2晩寝かせてから使います。
容器に入れて密閉し、冷蔵庫で寝かせることにより、美味しくなるのです。 季節等にもよりますが、2〜4日寝かせたぐらいが食べごろになります。
打ちたての麺をギューッと握りこんでからほぐし、再度まとめて体重をかけて握りこむと縮れ麺になります。 かなり力を入れないとうまく縮れません。
我慢して3日麺を寝かせました。 いよいよ茹でたいと思います。
沸き立つ湯の中に麺を放り込み、菜箸でいなします。 茹で時間は今回1分です。 麺の状態にもよるかと思いますので調整しましょう。
茹であげた麺は、すぐさま流水で洗います。 冷やし中華等冷たく用いる場合はこのまま水をよく切ってから盛り付けます。
ラーメンの場合は洗ったあとに再度湯の中で温めてから使います。 手打ちうどんと同じです。
ついに自家製中華麺を作ることができました。 早速豚骨ラーメンをこしらえて食べてみることにします。
豚骨、豚頭、モミジを20時間煮出してクリーミーなスープを抽出し、 醤油ダレは作らずに昆布を浸した生醤油を使いました。
固めに茹でてすすりこんでみると、チュルンとした喉越しのいい中華麺でした。 自家製麺は、大成功です。
小麦粉を練る際に卵を落としてみたり、加水率(水を加える分量)を調整すれば、よりいっそう自分好みの麺が作れるという自信がわいてきました。
※加水率が低いと麺がスープを吸収しやすいため伸びやすく、逆に高めだとスープを吸収しにくいので伸びにくいのです。
中華麺がかなりよくできたので、うどんやパスタも作ってみました。 手打ちの不ぞろいなうどんも味がありますが、 パスタマシンで打ったウドンは整然としていて相当完成度が高いものでした。 パスタも同じです。
以上パスタマシンで自家製麺を作ってみました。 このページを作るにあたりまして「パスタマシンで麺道楽」「ラーメン自家製麺の技術」を大変参考にさせていただきました。
パスタマシンにより新たな麺生活がはじまりワクワクしています。 麺は底なしに奥深いので、これから年末に食べる年越しラーメン用の麺を研究したいと考えております。
パスタマシンで自家製麺を作って喜ぶ。
更新日:22/12/28
公開日:09/11/13