小学生の頃ホットケーキを作ろうと思い立ち、レシピ本か何かを見ながら焼いてみましたが大失敗。 真っ黒コゲの円盤ができあがってもう二度とホットケーキは作るまいと固く心に誓いました。
今回、人生二度目のホットケーキ作りに挑戦しようと思い立ったのは、朝日新聞の「おいしさ発見」を読んでからでした。 「市販のホットケーキの素」なんていう ものは使わずとも作れます。 あまり上手く焼けませんでしたが、子供たちは喜んで食べてくれました。 これもまた「パパの味」だぞ子供たちよ。
これは絶対に必要ですので買ってきてください。 ふくらし粉であり、洋菓子等のたねをふくらませるための膨張剤であります。
※ベーキングパウダーを使った饅頭が黄色くなる事がありますが、これはベーキングパウダーの主成分である重曹から二酸化炭素が発生すると、そのあとに炭酸ナトリウムというアルカリ性の物質が残るのですが、これが小麦粉に含まれているフラボノイドと反応して黄色くなるのです。 天ぷらの衣に重曹を入れたら黄色く仕上がるのも同じ理由です。
小麦粉(薄力粉)200グラム、ベーキングパウダー10グラム、砂糖60グラムを混ぜ合わせ、ふるいにかけつつボールに入れます。
別のボールに生卵120グラム(殻を除く。 L卵約2個分)、牛乳140グラム、バター40グラム(溶かしたもの)を入れて、十分かきまぜておきます。
以上各分量は、キッチリ厳守したほうがよいです。 ちなみにこの分量で、直径15センチ程度のホットケーキが2人前(計4枚)できあがりました。
小麦粉関係の入ったボールに、卵関係の液体を流し込み、粉気がなくなるまでかき混ぜます。 あまり長く混ぜすぎるとよくないそうですので、粉が見えなくなったらやめておきましょう。
以上を作るのは焼く直前であり、混ぜたらすぐに焼くのがポイントなのだとか。
このくらいでかき混ぜ中止にしておきました。
フライパンを火にかけて、バターを薄くひきます。 ペーパータオルなどを使って、薄くのばします。
生地をフライパンにトロリと流しいれて、両面こんがりと焼いていきます。
と書くと簡単そうですが、これがナカナカ熟練を要する作業であります。 まずは生地をキレイな円形に流し込まねばなりません。 しかもホットケーキは2段重ねが常であるということは、 同じ大きさのホットケーキを2枚焼かねばならないということです。
この問題の解決法としましては、フライパンに流し込む生地を等分したうえキッチリと計量しておき、慎重に流し込んでみたり、小ぶりのフライパンを用意して、そのフライパン全面に生地が行き渡る のをひとつの目安にする、という方法とか考えられます。 オイは、生地を計量したうえで焼いてみました。
さらにもうひとつ問題なのが『火力』であります。 我が家のガスコンロでは、中火がもっとも焼きあがりがよかったのですが、各家庭の環境もありますから、十分考慮して焼いて ください。 オイは2度焼くのに失敗し、結果中火に落ち着きました。 中火に至るまでの試行錯誤といったら大変なもので、 どうしても上手く焼けないので檀流カツオのタタキのように、 コンロの両側にレンガを立てて、火とフライパンの間をとり、強火の遠火で焼いてみたりとかイロイロ・・・。
そして、普通に中火で焼くことになりました。 それを横で見ていたホットケーキ作り経験者である嫁は、 「ホットプレートを使えば簡単じゃん。 炊飯器を使うというテもあるで。 ヒッヒッヒ。」とヨコヤリを入れてくるのですが、どうしてもフライパンで上手いこと焼き上げないと気がすまないのです。 それ以外の手法では、なんだかズルしたようにさえ感じられるのです。
しかも、ホットケーキはパッと手軽に作ってやりたいものであり「そうだ、ホットケーキを焼いてあげよう」という話になって、 わざわざホットプレートを持ち出すのも手間ですし、炊飯器には米がたんまり入っているし。
とまあ長くなりましたが、皆さん十分ご注意ください。
※コンロの上に鉄板を置き、その上にフライパンを置いて弱火で焼く、という方法もあります。
フライパンの上の生地の様子をずっと見つめます。 円の周囲が若干乾燥し始めた頃、生地を少しめくってみて、裏側の焼け具合をチェックします。 写真のように、まるで ドラ焼きのように、こんがりきつね色に焼けたら、ひっくり返して裏側も同じように焼きます。 焼き上げたら、もう一枚も同じように焼きます。
皿に2枚のホットケーキを載せて、バターをのっけて、メープルシロップをかけて、フォークとナイフを駆使して食べます。 東海林ださおさんは丸かじりシリーズ でこう書かれておりました。
たったいま、ほの温かいホットケーキが、温められた皿にのって目の前に置かれたところだ。まず何をすべきか。
まずすることは、ナイフでもってホットケーキの表面をペシペシとたたくことである。これはオープニングセレモニーとしてとても大切なことだ。
〜中略〜
人によっては、このペシペシをホットケーキのペシミズムという人もいる。
だ、そうです。 「ホットケーキの法悦」という目次で、これほどまでにホットケーキを食べる様子を上手いこと表現している文章を見たことも聞いたこともありません。 ホットケーキマニアな方は、 是非ご一読を。
ちなみに右の画像はあたかもこんがり焼けているかのように加工したものであります。 ページトップの完成写真を見てもおわかりのように、本当は、これほどこんがり焼けませんでした。 ホットケーキを極めるにはまだまだ修行が必要です。 今回の教訓として、目玉焼きのように油を薄くのばすということと、 炎の中心にフライパンを持ってくるということが重要だとわかりました。 油を少なく、薄くのばしておくと、仕上がりの表面が滑らかになることが判明しました。 炎の中心云々というのは、 フライパンが中心からズレていると、焼き上がりにムラができるのです。
今回は、この辺でお開きということで。
07/06/19