まずは寒い時期に獲れるブリ、通称寒ブリの切り身に塩をたっぷり振りこんでおきましょう。 まるでからすみでも作るかのような勢いで、 ブリの切り身が見えなくなるぐらい塩をドサット振りかける、 というか塩の中にブリの切り身を埋没させるつもりで塩漬けにしてください。
塩漬けする期間は数ヶ月〜1年間になります。 そうなのです。 かぶらずしは思いたったらすぐ作る、というわけにはいかない料理なのです。
ちなみに今回、ぶりを2ヶ月間冷蔵庫内で塩漬けにしました(カンタン塩鰤の作り方)。
※ぶりのさばき方はブリ(鰤)をごらんください。
ぶりを塩漬けにしてからいつまにか数ヶ月経過し、はてこの塩ブリは一体何?というふうにもはや何のためにブリを塩漬けにしたのか忘れかけていた頃、 かぶら寿司のかぶら寿したるゆえんであるかぶらが出回ってくるハズです。(時期にもよりますが)
ところがどうしたことでしょうか、かぶらをあちこちで見かける時期だというのに、我が家の野菜置き場にはかぶらの姿がどこにも見当たりませんでした。 だからかぶら寿司作りはもうやめます。
という風にあきらめたりしません。 かぶらがなけりゃ、大根で作ればよいのです。 葉付きの大根を一本取り出しました。
以降大根をかぶらに見立てて調理します。
かぶらをよく洗い、皮をむかずにそのまま1センチ厚の切り込みを入れます。
次にまた1センチいったところで包丁を入れてかぶらを切り落とします。
この作業により、かぶらはちょうど「長崎角煮まんじゅう」のように、間に何かはさみこむ形式の饅頭形になっているハズです。
あとはブリの切り身の量と相談しながらそれに見合うぐらいの長崎角煮まんじゅう型かぶらを量産すればよいのです。
切り分けたかぶらには塩を振り、重石を乗せてから4、5日漬け込みます。 この際葉っぱも同じように漬け込んでおいてください。
※ちなみに大根を半日ぐらいうす塩で漬け込むとおいしい浅漬けができますよ。
そろそろかぶらがほどよく漬かった頃だなあ。 と感じたら、土鍋などでご飯を炊いてください。
炊き上がったご飯に米麹をパラパラとふりかけてから混ぜ合わせ、土鍋ごと毛布にでもくるんでこたつの中に放り込み、発酵させてください。 ご飯は柔らかめのほうが使いやすいです。 ちょうど甘酒を作るような具合です。 発酵まで1、2日ぐらいかかります。
※本式にやる場合は発酵した麹に火入れをして、麹菌の活動を抑えてから漬け込むそうです。 そのほうが漬け上がりがすっぱくならないのだとか。
ご飯と混ぜて発酵させた麹がこなれてきた頃、いよいよ塩の中からブリを取り出します。
ブリは水気が抜けて、カチカチになっているハズです。 まずは皮を削ぎはじめましょう。 魚を普通に刺身にするようには皮はすけませんので、 ギコギコと包丁を前後させながら慎重に削ぎとります。
皮をそいだブリを削ぎ切りにします。 身が固くしまっているので切りにくいものです。
削ぎ切りにしたブリを水につけて、1時間ぐらい塩抜きをしておきます。
塩抜きが終わったらザルにあけて、水気をよく切っておきます。
※ブリを少しかじってみて、あまりにも塩辛いようだったら、塩抜きする時間を延長してください。
塩抜きしたブリをかぶら漬けに挟み込んでいきます。 ちょうどブリまんじゅうのような風貌になるハズです。
桶を用意し、底にかぶらの葉の塩漬けを敷き詰めます。 その上に発酵させた麹を点々と置き、上からブリをはさんだカブラを敷き詰めます。
また麹を点々と置いてかぶらを敷きつめ・・・という様に繰り返してください。
最後に塩漬けの葉っぱを上に乗せ、落し蓋をしてから重石を乗せ、常温で数日間漬けこみます。
漬け込む日数は環境により前後すると思います。 ここ長崎では、ちょうど4日目に水気が増えて、美味しそうな風合いになりました。
かぶらずしを取り出して、すこしかじってみると、あの独特な風合いがしました。 これにてかぶら寿司の完成とします。
桶からとりだし、麹の付いたまま切り分けてつまみます。 お酒とよく合うんですよね。
完成後は冷蔵庫で保存し、食べごろは数日間です。 それ以上置くと、酸味がでてきました。
09/06/02