今日はオコゼをいただきます。 刺身で、揚げて、味噌汁で。 どのように調理したってとびきり旨いのがオコゼです。
これがオコゼです。 正式名称は「オニオコゼ」といいます。
なにやら足のようなものが生えていて、時折口をパクパクさせています。 すこし突付くと、背びれにあるトゲをビラッと波打たせながら立てて威嚇してきます。
このガラス状のトゲがクセモノで、万が一刺されてしまうと、のたうち回るほど痛いそうです。
活きたままさばくのは危険ですし、かといってどのようにシメたらよいかもわからないので、氷漬けにして一晩冷蔵庫で寝かせました。
まずはトゲを取り去り安全を確保しなければなりません。 背びれにある17本の硬いトゲを、根元からハサミで断ち切ります。
トゲを取り去ったあとは、三枚おろしに進みますが、魚体が変則的なこともあり、おもうように包丁でおろすことができません。 まずはヌメヌラした皮を包丁で切れ目を入れてから引き剥がし、続いて腹を開いてワタを取り出します。 オコゼのワタは、いつみても美しく輝いています。
アンコウ同様虎魚(オコゼ)の内臓も「七つ道具」とよばれていて、 美味しく食べることができるそうです。
皮は湯引きにしたり、カラリと揚げていただきます。 三枚おろしにした身はフグのように薄作りにしていただきます(ページトップ画像)。 今回はポン酢と柚子胡椒でつまみました。 もみじおろしもオススメですよ。
オコゼの頭やアラを20分ぐらい弱火でコトコト煮出し、アクをすくい取ります。 頃合をみて、赤味噌を加え、よく溶きます。
特別なことは何にもしていないのに、この味噌汁の美味しさときたら一体何なんでしょうか。 スッポンに匹敵する旨味を持っていると思います。 刺身をつまんだあとに味噌汁をススれば、 自宅でこんな旨い思いをしてもよいのだろうか? と妙な疑問が沸き起こります。
オコゼのトゲ、ワタを抜いてから小麦粉をまぶし、180度の油で揚げるとオコゼの唐揚げです。 ポン酢でいただきました。 生でたべればプリプリしている身も、 火が通ればホクっとなります。
オコゼの正式名称はオニオコゼといいます。 英語ではdevil stingerという物騒な呼び名です。
長崎のある地方では「あん人はオコゼのごたる人間ばい」という言いまわしがあるそうです。
悪口のように聞こえますが、これは歴とした誉め言葉なんです。
「どこが誉め言葉? 私はあんなに不細工ではない!」
と憤慨しそうになりますが、「似ている」と言っているのは外見ではないのです。 オコゼの内蔵は、外見とはうってかわってとても綺麗なんです。
なので、「裏表のない誠実な人間」に対して「あん人はオコゼのごたる人間ばい」と使うそうです。
更新日:23/03/12
公開日:05/11/20