銀座のワインサロンで飲んでいた時の事でした。 出てきたつまみを何気なく口にしたところ「ん、コンビーフかな?」という感想が一瞬よぎりましたがすぐに消え、
今度は「タンを煮たものか?」とも考えましたがそれも確信がなく。 思案しながら飲んでいたら、いつの間にかワインが一本空いちゃいました。
「何かしらの牛肉だけど、どうやって調理したんだろう?」 と、ハナから牛と決めつけてかかっていたのですが答えを聞いて驚きです、なんと砂肝だったのです。
驚きの口当たりを生み出したのは、砂肝の丁寧な下処理でした。 砂肝を取りまいている銀皮を、せっせと丁寧に包丁で切り分けて、取り除くのです。
左が切り分けた銀皮で、右が今回用いる砂肝のコアです。 まだ粗く取り除いただけなので銀が所々残っておりますが、ほんのわずかでも銀皮があると、舌は敏感に反応しますから、ムキになって取り去ります。
銀皮は銀皮で、ごらんの通り「もっと薄くそぎ切りしたらよかろうもん」というかなりザックリとしたオイらしい仕事をしておりますが、わざとですこれ。
だって本題からハズれますけど、旨いんですもの銀皮って。 すなぎも炒めにこの銀皮だけを用いたら、そもそもこの炒め物には取り除いた銀皮のみを用いるのが王道だ、 というほどコリコリ砂肝然とした食感が引き立ちます。 なので、すなぎも炒めには以降銀皮のみを用いるようにしましょう!
さて砂肝のコアをコンフィにしてまいります。 油に沈めて火にかけながら80℃を維持しつつ30分ほど煮るわけです(低温調理器を使うと楽です)。
この際「フル油で挑戦するのはちょっとなあ・・・」というお試しユーザーの方も大勢いらっしゃると思います当然です。
別にこのコンフィで商売するワケでもないですし、大胆に油をサブサブ用いては作りにくいったらありません。
そこでオススメしますのが、ビニール袋にコアを入れ、そこへ油を流しこんで口を閉じ、お湯に沈めて煮る方法です。 これだと用いる油量は何十分の一になりますし家庭的です。 ただ80℃をキープする、という所だけは厳守しませんと、驚きの食感は生まれませんのでご注意ください。
フタ付の鍋でやると温度調節しやすいですよー。
完成したコンフィはどのように食べても美味なりです。 オイルごと引き上げて醤油をたらしてもよいですし、何もせずにただ丸かじりするだけで「コシュッ」とした不思議な食感を楽しめるでしょう。
辛子醤油でつまむのもオススメですよ!
更新日:23/06/15
公開日:16/07/06