なんでか知りませんが、子供の頃から魚の血合いが大好きでたまらなくて、ブリ大根に血合いを見つけようものならば、 我真っ先にムシャついていました、もっともオイ以外に食指が伸びる人間は皆無ではありましたけど。
魚の半身の、真ん中に走る赤い身こそが血合いです。 あの中骨が埋まっている肉ですね。 魚の種類は問いません、血合いを用意します。
大きな魚が適しており、今回はカツオの血合いでまいりますが、ブリなんかだとサイズもあって、食べ良くもあり最適です。
そんな血合いに軽く塩、胡椒を振り、オリーヴオイルを熱したフライパンで両面こんがり焼くんです。
レモンを絞ればこのままでも旨いんですけどね、焼き血合いを器に並べて上からトロけるチーズを散りばめて、その上に酒で緩めた酒盗を乗せて、250度のオーブンで5分ばかし焼くだけです。
ネギでも散らしてつまんだら、酒種を選ばぬ佳肴だという事がよくわかります。
以上、血合愛より産み出した酒肴でした。 ちなみにオイ意外に「血合いが好きだ!」と言ってる人をこれまで見かけたことがなかったのですが、先日読んだ山口瞳さんの『礼儀作法入門』にこんなくだりがありまして。
私はいかにドイツのハムがうまいからといっても、上等なマグロのトロの味にはとうてい叶わないと思う。
むろん、フォアグラやキャビアもエスカルゴもうまい。 しかし、カツオの中落ちのアラ煮の血合い部分の味は、優にこれらの味に匹敵して少しも劣らないと考えている。
しかも値段でいえば、中落ちなんかはタダも同然で、捨ててしまう家庭も多いのだ。
つい諸手を挙げましたね。
血合いを焼いて、チーズと酒盗を乗せてトロけさせる。
15/11/21