子供の頃ケガをした時、田舎のばあちゃんが戸棚から取り出したのは貝でした。
痛くてヒイヒイいっているところに貝を持ち出すとはばあちゃん一体何のまじない!?しかも戸棚からって・・・と微妙な気持ちになったことをよく覚えています。
その貝の中にはどす黒い黒砂糖の塊ような物体が入っていて、ここでまたビックリです。 貝は容器だったのです。
黒い塊を火であぶって少量溶かし、たしか紙になすりつけてから痛いところに貼り付けます。 謎の黒い物体は、薬だったのです。
ばあちゃんによると、これさえ貼っておけば、たちまちどんなケガも治ってしまうという話でした。 実際よく効いたかどうかは覚えていません。 たしかその薬の名は「どんばらナントカ」だったと思います。
そしてその貝殻は記憶によると・・・蛤だったような気がするのです。
蛤大根を肴に飲みながらフと、この記憶がよみがえりました。 さておき、
ハマグリ独特の旨味ときたら強くリスペクトせずにはいられません。 今回は大根と瞬間煮てみます。
ハマグリを魚屋から買ってきました。 はまぐりって手に持ったときの大きさ、重みがなんともいえないと個人的には感じてます。 本能的所有欲をかきたてられるというか。
潮汁にするとたまんないんですよね。
さて今回のネタ元は、朝日新聞朝刊の「おいしさ発見」になります。 池波正太郎氏が「あさりと千切り大根を煮た料理」がベースになっているものです。
それではまず、ハマグリを薄い塩水につけて、砂出しをしておいてください。
はまぐりを鍋に入れ、水と酒をヒタヒタに注いでから火にかけます。 しばらくするとまるでバネ仕掛けであるかのようにハマグリの口がパカパカ開いてきますから、即取り出してください。 煮すぎてはいけません。
身を貝殻からはずしてのけておき、乳白色の煮汁は砂をこしてから鍋に移してください。
クラムチャウダーを作る要領です。
大根は皮をむいて千切りにしておきます。 皮は切干大根にするとムダになりません。
鍋に入れたはまぐりの煮汁にダシを合わせます。 薄口醤油をたらして味付けをします。
※ダシを用いず蛤の煮汁だけでも全然オッケーです。
煮汁に千切り大根を加えて火にかけます。 沸騰したら、
はまぐりを加えて火が通るまで煮込みます。 火が通ったらすぐ器によそい、上から海苔をはらはら散らします。
七味で食べるのもおいしいです。
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10/01/09