邱 永漢の「食は広州に在り」にこうありました。
厨師(コック)の採用試験についてのくだりです。
以上が重要なポイントになるそうです。
そこで一汁二菜の料理を作らせてみて、採用するか否かを決定するそうです。 メニューは次の三品。
以上三つの料理は、広東人ならば誰でも知っているという普通の家庭料理なのですが、だからこそ、上手に作るにはそれなりにムズカシイという話になるということです。 とりあえず作ってみます。
まずはトップ画像の豚肉蒸しから作ってみます。 豚肉は赤身と脂身を割合が半々ぐらいのものを使うとあるので、 おなじみ豚バラブロックを用意します。 そして、 脂身と赤身に切り分けます。
東海林さんの炒飯と同じ手順。
脂身は柘榴の実程度の大きさに刻んで、赤身は、原形をとどめないほど包丁でたたきます。
本格的に作る場合は、まな板の臭いが肉に移るのがイヤなので、生の豚の皮の上で肉をたたくのだそうです。
それぞれ叩いた豚肉に、豆粉(片栗粉でよい)と醤油を少々くわえてかき混ぜます。 そしてこの状態で蒸すわけです。
蒸しあがったら最後に熟油(一度火を通した落花生油)を少したらし込むとできあがり。 温かいご飯の上にのせて食べます。
さて次は牛肉炒め。 炒めるのに最も適した部位は、ロースだそうですが、ラン、イチボでもオッケーです。 オイは檀流のカキ油炒めのときのように、安いステーキ肉を使用しました。
その牛肉を切るわけですが、大体同じ厚さになるように注意します。 牛肉は煮えたか煮えないか程度が一番おいしいので、その火のとおりを均一にするためです。
切った牛肉は、卵の白身をまぶして、2、3時間置いておきます。
さて2、3時間たったので、炒めたいと思います。 鍋を煙が出るまでカンカンに熱して、油を注ぎます。 油が煮立ってから牛肉を入れ、手早く炒めます。
肉に七割程度火が通ったところで、醤油と豆粉(片栗粉)、水をあわせて溶いたものをよくまぜてから、回しいれます。 あまり沢山入れないほうがよいでしょう。
はいこれで牛肉炒めのできあがり。 シンプルな味付けながら気の効いた味がします。
最後に卵スープを作ります。
まずは丹念に鶏がらスープを抽出しておきます。
たまごはあらかじめ軽く溶いておいて、中に刻んだネギと、熟油(一度火の通った落花生油)を混ぜ込んでおきます。
鶏がらスープがとれたら、火を止めて、ガラを取り除き、溶き卵を少しづつ流し込みながら、箸でグルグルと混ぜます。 最後に塩と、熟油で味を調えるとできあがり。
こんなにウマイ卵スープは、とりあえず飲んだことないというぐらい美味です。
以上厨師考試の3品でした。 作り方はやさしいながら、ちょっとしたコツがいります。
このコツをのみこんでいる厨師ならば、より高級な料理も必ずできるということなのだそうです。 アレンジ次第でどうにでもなりそうな品々なので、あなたも一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
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06/08/01