上質な牛ヒレやロースを使ったステーキはしみじみと旨いものです。 食べる度に感激してしまいます。
一方、ヘンな肉のステーキほど食べていて腹立たしいものはありません。 硬くて、スジばっていて、 こんなことならばミンチにしてハンバーグにでもすればよかった、と後悔しながら無理して食べきります。
しかし!こんな変肉を、美味しく食べるレシピが実はあるのでした。 それがこの「シャリアピン・ステーキ」です。 なんだか舌をかみそうな名前をしていますが、その由来はこちらになります。
昭和11年の話です。 ロシアのオペラ歌手、シャリアピンが来日した際、突如歯が痛くなりました。
そのことを宿泊している帝国ホテルの料理長に相談したのです。 「歯が痛いので、柔らかーいステーキが食べたいです」
そこで料理長は、タマネギをおろした中に肉を漬け込んで、さらにみじん切りのタマネギを乗せて焼いた肉を出しました。 シャリピアンはいたくこれを気に入りまして、 以後シャリアピンステーキは、帝国ホテルの名物のひとつになったというお話です。
「柔らかい肉とタマネギに、一体どういう関係があるのか?」実はタマネギは、蛋白質分解酵素を沢山含む食品なのです。 たんぱく質を分解してしまう酵素により、肉が柔らかくなるという話なのです。
それでは超簡単な作り方をご紹介します。
こちらが今回使用するショーもない「ステーキ用」と謳われていた超特価品の牛肉です。 みるからに安く、ステーキで食べることがはばかられる外見をしています。
これを美味しく食べることが目的です。 思うようにモチベーションがあがらない中、叩いてみたり、引っぱってみたり、スジを切っておいたりします。
第二の主役、タマネギです。 肉を完全に覆い隠すことができる分量すりこんでください。 その中に肉を埋没させて、30分ぐらいほったらかしておきます。
肉をほったらかしている間に、別途タマネギをみじん切りにしておきます。
バターを熱した鍋で、みじん切りをきつね色になるまで炒めます。 軽く塩、胡椒を振りまして、 できることならば、肉の焼き上がりにあわせるように、タイミングをあわせて炒めはじめたほうがよいものです。
30分経過したら肉をタマネギ液から引き上げて、タマネギのカスをぬぐいとります。 鍋にバターを熱し、弱火でじっくりと両面焼きあげます。
肉が焼けた頃を見計らい、上から炒めたタマネギを乗せて、パセリでも散らし、食卓へ運びます。 さて肉は柔らかくなったでしょうか?熱いうちにお召し上がりください。
※今回ネギのみじん切りを散らして、醤油を回しかけて和風にいただきました。 普通に作る場合は、適宜塩、胡椒を肉に振ってから焼いてください。
10/12/18