オイの育った地域では、あじの南蛮漬けのことを単に「三杯酢」と呼んでいました。
近所のあちらこちらから三杯酢のおすそ分けが集まることもありました。 パプリカが美しく散りばめられた、きらびやかな三杯酢から、 シンプルにアジとタマネギだけで仕込まれたもの。 甘いものから唐辛子や酸味の効いた、ちょっと大人向けのもの。 どれも各家庭の味があり、 「おっ、この三杯酢好きかも!」というツボにはまるものを頂いたときは、早くご飯を食べたくて仕方がありませんでした。
ウチのお袋が作る三杯酢は、しっかりと揚げられていて、ホロホロ中骨まで食べられるほど漬け込まれた、甘みの強いものでした。
あじは新鮮なもので、なおかつ小さい「マメアジ」を用いたいところです。
まずは包丁で軽く表面をなでて、ウロコをかきとります。
ゼンコを取り除きまして、
エラを引っ張り出します。
腹を開いて、ワタを抜き出します。 丁寧に水洗いをして、水気をよくふいておきます。
※動画もありますのでこちらも参考にどうぞ→魚の三枚おろし。
下処理の済んだあじに、小麦粉を薄くまぶしつけます。 この際腹の中まで丁寧にまぶすよう心がけてください。
180℃の油でじっくりと揚げます。
揚げたあじを一旦引き上げまして、今度は油の温度を200℃に高め、再度揚げるのです。 この「二度揚げ」こそが、美味しい南蛮漬けをこしらえるコツになります。
※魚体が大きい場合は三度揚げにするというテもあります。
揚げあがり!
揚げるやいなや、南蛮酢(三杯酢)に漬け込みます。
鍋に出汁、薄口醤油、みりん、昆布を合わせて火にかけ、沸いたら火を止めます。 冷めてから酢で味を調えると、南蛮酢のできあがりです。 詳しくは、南蛮だれの作り方をどうぞ!
南蛮酢に漬けてから2、3時間もたてば、もう食べることができますが、一日以上置くと、頭から尾びれまで、まるごと全部食べれるようになります。 お好みでパプリカやピーマン、タマネギや唐辛子、 ニンニクやショウガ等と一緒に漬け込んでください。
実は何も小アジにこだわらなくとも美味しい南蛮漬けは作れます。 大きめのアジは三枚におろして、 腹骨小骨は残したまま、上と同じように小麦粉をはたして二度揚げします。
今回は器に盛り付けてから、茶色くなるまでしっかり炒めたタマネギをトッピングしておりますが、これが目からウロコのアクセントになります。 庶民派の南蛮漬けでも大ごちそうになりますよ。 骨も無いし、子供も絶賛です。
更新日:23/03/26
公開日:11/05/23