近頃コッテリとしたラーメン作りには飽きてきました。 醤油風味のあっさりとしたシンプルなラーメンを研究中です。
ゲンコツを煮る際に3回茹でこぼし、丹念にアクをとり、コクもありつつ澄んだスープを作ろうと考えています。 では早速ゲンコツを買いに肉屋へ。
ゲンコツと一緒にモミジ、トリガラも仕入れ、 急いで帰ろうとしていたときでした。 「ぼんじりもあるけど使わないの?」と主人がつぶやいたのでした。
「ぼんじりあるんですか!」すかさずフォローし、一袋買って帰りました。
ぼんじりとは、鶏のお尻なのです。
この三角形をした物体がボンジリです。 鶏の尻の部分になります。 一羽につき、ひとつだけとれる部位ですから貴重だと言えるでしょう。
今回で味をしめたので、いつも買えるものなのかどうかを肉屋さんに聞いてみたところ、「必要ならばとりためておくよ」ということでした。 一袋1キロぐらい入って350円という安さです。 鶏にこんなステキな部位があることを知らないなんて、もったいないと思いますよ。 近所のお肉屋さんに聞いてみてください。
ぼんじりを手にとると、なにやらストローのようなものが突き刺さっていることがあります。 これは羽のなごりです。
毛抜きを使って引き抜いてください。
そうしましたらですね、まずはボンジリが人面魚の顔に見える向きがあると思いますからそのようにまな板に置いてください。 右図がその状態です。
ぼんじりの切断面から包丁を斜めに入れて、厚い脂肪をそぎ取ります。
右利きの場合、人面魚の顔を左にむけてからそぐのです。
これがそぎ取った状態です。 左側のそぎとった部分に黄色い所がありますが、おそらくこれが脂腺なのではなかろうか、と推測します。
脂腺をそぎとったぼんじりは、もはや人面魚には似ても似つきません。 なぜならば、そぎ取った部位は顔に見えていた部分なのですから。
ぼんじりを右に90度回転させまして、真ん中に骨がありますのでその両脇から包丁を入れます。
切れ目からさらに包丁を入れて、観音開きの状態に仕上げます。
開いた断面にも羽が残っている場合があります。 丁寧に取り除いてください。
右に90度回転させまして、立ち上がっている中骨をそぎ取ります。
ようやくボンジリを食べれる状態に加工することができました。 はじめは手間取りますが、10個ぐらい開くと慣れます。
開いたぼんじりを串刺しにして、自家製焼き鳥装置で焼き上げるとページトップの串になります。 鳥皮と鳥モモが合わさったような食感は、見た目よりも柔らかい歯ざわりです。 噛むと肉脂汁があふれ、串から引き抜きながらニンマリしてしまう異次元の美味しさです。
ところで、ボンジリを下処理した後には、ごらんのようなガラが残ります。 首ズル(トリガラの首部分)が小さくなったような形をしています。
間違いなくこれも立派なトリガラですから煮出してスープをとってみました。
小さい骨なので濃厚なスープをとるにはかなりの量が必要になります。 今回は、そぎとった部分から黄色い脂腺を除いたものも加え、一緒に煮出してみました。 そしてトリガラスープを合わせ、チキンカレーを作りました。
ぼんじりが美味しすぎて開いて串刺しにする作業が間に合いません。 だから串に刺すことをやめて、開いたぼんじりをネギと一緒に炒めました。 いちいち美味しいと書くのが面倒くさくなります。
10/04/04