5年前に入手してからというもの、何度も読み返しているのが『保存食品開発物語』という一冊です。
まさにタイトル通りの内容でして、保存食の進化を歴史をひもときつつ、小話満載で教えてくれます。 本中で前から気になっていたレシピがこれでして、近代日本カレーの夜明けだな、と独りごちてます。
「身の締まった魚を使う」とありますが、何好みの魚種で結構でしょう。 ただ一つ心掛けたいことは、小骨は抜かない事です。 なぜならば、骨も食べた方が栄養面でも良いですし、今回の調理法においては、その必要がないからです。
食べやすい大きさに切り、ラードでカラリと揚げ、塩を振って油を切ります。
刻んだタマネギとニンニク、みじん切りの唐辛子を炒め、黒胡椒を振り、砂糖、レモン汁、ローレルを加えます。
すかさずカレー粉をドッサリ投入し、酢をヒタヒタに注いで煮詰めます。
ややトロミがついたところで漬け汁の完成です。 器に漬け汁を少々注ぎ、揚げ魚を並べ、また漬け汁を注いだら魚を並べ、と繰り返し、漬け汁が足りないようだったら酢を足して、とにかく全ての魚をヒタヒタに漬けたら準備完了です。
冷蔵庫へ静かに保存し、1〜2週間たった所でおもむろに取り出し、冷たいままいただきます。 お供には薄切パンと、バターをどうぞ!
と、実際作ってみての感想です。 まず「カレーを冷たいまま食べるだぁ?」 と機嫌悪くなる方もいらっしゃるかもしれませんけど、これ「魚のマリネなカレー味」的側面を持っておりますから、是非実際作って食べてみてから評価してください、 私にとっては絶品でした。 アジの南蛮漬け的様相もありますから、冷たいまま食べるのも不思議でありません。
そして魚の骨問題です。 ご覧いただいたように、今回のレシピは酢を大量に使用します。 さらに魚も揚げているのでまったくもって骨はフニャフニャでした。 まさに南蛮漬けと同じです。 ちなみに今回鯛のカシラを用いて仕込みましたが、あの硬い骨でさえかじれる程でした。
この本読んでいると、今まで作ってきた保存食レシピの事がいっそう愛おしくなります。
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16/01/26