なにも年がら年中食欲旺盛というわけではありません。 飲み過ぎた翌朝や、猛暑の夏では、若干食に対しての意欲が落ち込んだりもします。
しかし、食わねば生きてゆけないのです。 食欲がなくても、何かしら口にしておかないと、ダメです。 今回はズルズルトロトロとした料理の作り方を3品覚えて、食欲がないときの励みにしたいと思います。
山芋を買ってきて、皮をむき、おろし金ですりこみ、白いご飯にそれをかけて、卵の黄身を落とし、醤油をまわしかけてズルズル…。 とまあこのようにとろろご飯を楽しむ方は多いと思いますが、これにもチャンとした作り方というものがあります。
普段何気なく「おろし金」ですりこんでいる山芋を、すり鉢ですりこみます。 すると、山芋は『ドロドロ』というよりも『サラサラ』した感じになり、ノド越しがよくなるのです。 おろし金を使うよりも、時間と根気が必要になりますが、すり鉢を用いてすりこむことを、強くオススメいたします。
※皮をむいた山芋を一晩水にひたしておいて、する手法もあります。 時には卵白を加えてみても。
すり鉢ですった山芋に、出し汁に醤油を加えたものを合わせます。 出し汁のとり方→
味見をしながら、お好みの分量入れます。
※醤油ダシを山芋に混ぜ込まずに、あとからかけて召し上がってもよいかと思われます。
お米は白米だけではなく、麦を混ぜ込んだ麦めしのほうが、雰囲気でますし、美味しくもあります。 ちょうど檀流のヒヤッ汁のように。
なんでも麦は表面がツルッとしているから、出し汁が染み込まず、サラッと仕上がるのだとか。
麦飯の上から、醤油ダシでのばしたトロロをかけて、ズルズルとすすりこむのです。
ボクはどうしても卵の黄身を割り落とさねば気がすまないという方は、割り落として食えばイイんです。 ちなみに以上の工程が非常にメンドクサク感じるけれど、麦トロが食べてみたいという方は、
レンジ用の麦飯パックを買ってきて、山芋をすりこみ、市販のめんつゆをかければハイできあがりです。
以上麦とろのレシピは、東海林さだお先生の丸かじりシリーズを参考にさせていただきました。 ありがとうございます。
さて次は昆布とろ。 昆布トロとは何か? それは、昆布とカツオダシだけで作るトロロ汁なのです。 夏食欲が出ず、何を食ってもマズいなんていうときに、昆布トロを作って熱いご飯にかけて食うと、
次から次に、おかわりをしてしまうということになるのです。 それでは早速作ってみましょう。
まずはカツオ出汁を丹念に抽出しておきます。 出し汁のとり方→
カツオ出汁に、薄口醤油で味付けをしておきます。 麦トロと同じですね。 これを人肌程度に冷ましておきましょう。
上等の昆布を買ってきて、表面についた汚れを取り去り、細長くハサミで切ります。 それをすり鉢にいれて、出汁を少しだけ加え、すりこ木でズリズリとすり込むわけです。
昆布から出たトロミで、汁がドロドロになるまで根気よくかき混ぜます。 これにはかなりの体力と時間を要しますので、時折人員交代をしながら、ズリズリやります。
汁にトロミがついたら、また汁を加え、さらにすり鉢で根気よくすります。 徹底的に、すります。 この作業を繰り返し、ドロドロした昆布汁を作るわけです。
※すりこ木の代わりに、箸を5本ぐらい束ねたものでゴリゴリやるのも効果的です。
炊き立てのご飯に、昆布トロをかけて、上から刻み海苔でも散らして食います。 昆布の旨味が、しみじみ感じられます。
さて次はとろろ昆布を使った吸い物を作ります。 器にトロロ昆布を入れておきます。
そこへカツオ出汁を抽出し、薄口醤油で味をつけたものを、注ぎいれます。 この場合のカツオ出汁は、カツオのみで抽出しておいて結構です。
仕上げに小ネギを散らします。 ズ、ズズッ。 プハー。
この吸い物を簡単にやる場合は、器にトロロ昆布を入れ、化学調味料、醤油を加え、その上からお湯を注げばできます。
以上、昆布トロ、吸い物は、北大路魯山人先生の『魯山人味道』よりでした。 ありがとうございます。
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07/06/14