豚汁のおいしい季節になりました。 豚と野菜のハーモニー、汁の表面にうっすら浮かぶ油が食欲をそそります。
かといって毎日の味噌汁がわりにできるかといえば、なかなかそれはむずかしい話です。 やっぱり、少々重たすぎるんですよね。
そこでご紹介するのが今回のけんちん汁です。 もともと精進料理ですから、肉類は使いません。 用いる野菜は豚汁とけっこうカブっていますから、 「豚肉抜きの豚汁」と言えなくもない気がします。
野菜の旨味あふれる汁物です。
美味しいけんちん汁を作るカギは、だしにあります。 小学生の頃の給食で、メニューがけんちん汁だった日にゃあ、そりゃあガッカリしたものでした。 だって、肉は入っていないし薄味だからボリュームに欠け、食った気がしないからです。 けんちん汁を前に「おれにカレーを食わせろ!」と絶叫したい気持ちだったことを今でもよく覚えています。
さて。 けんちん汁は元々精進料理だですから、だしは昆布やシイタケ等野菜のみでとるのが普通です。 でもそれでは旨味が足りませんし精進料理を作る気はないので、おもいっきり動物系のだしをとります。 今回用いた食材は、昆布、干ししいたけ、干し貝柱、そして飛魚です。 張り切って前の日からたっぷりの水に浸しておきました。
干ししいたけは、具としても活用しますので、だしをとったあとは取り出して、刻んでおいてください。
けんちん汁には豆腐が欠かせないものです。 あらかじめ水気を切っておきます。
里芋の皮をむいて、1センチぐらいに切ります。
大根と人参はいちょう切りにしておきます。 大根に葉がついている場合は、それも刻んで具とします。
ごぼうをささがきにして、しばらく水にさらしておきます→野菜の切り方。
鍋に油を引いて、豆腐を投入します。 突き崩しながらまんべんなく炒めましょう。 あまり細かく崩しすぎずに、ザックリとした感じに仕上げるのがコツです。
続いて野菜を投入し、よく炒め合わせます。
自慢のだしをザザーッと加えます。
野菜に火が通るまで、15分ぐらいコトコト煮ます。 途中、アクが浮かんできますので、こまめにすくいとってください。
この現場に居合わせた息子は「正月の匂いがする!」と言いました。 立ちのぼる野菜とだしの香りから、 正月の煮物とか雑煮が思い出されたのでしょう。
野菜が煮えたら薄口醤油と塩で味を調えてけんちん汁のできあがりです。 ささ、熱々をどうぞ。
※味噌仕立てのけんちん汁もあるそうです。
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10/11/19