鳥鍋はすごくウマイ。 でもどんなに美味い食べ物でも、しょっちゅう食えば飽きるというものです。
そこで鳥鍋を少しアレンジして、鳥モモ肉を団子(つくね)にして食べてみます。 具はシンプルに鶏肉と長ネギだけ。 これもまた病みつきになること間違いなしの鍋です。
まずは鶏がらを丹念に煮込んでトリガラスープを抽出しましょう。 1時間ほど煮たところでスープが白濁してきまして、 2時間も煮れば、美味しいスープができあがります。
白濁させたい場合は強火で、透き通ったスープが欲しい場合はとろ火で煮込みます。
今回の鶏つくね鍋は、ポン酢の他に、 醤油だれでも食べてみることにします。
醤油だれは、ラーメン屋さんで替え玉の際に使う、薄まったスープの味を補強するタレのことです。 トリガラスープと合わないワケがありません。
まず丹念にダシをとりまして、それに醤油、塩を入れて、 20分程度煮詰めるとできあがりです。 なめてみて「塩辛!」と感じるぐらいが醤油だれです。
今回ホントは、この醤油だれと鶏がらスープをあらかじめ合わせて「味のついたスープ」にしてつくね鍋を食べようと思っていたのですが、 カミさんがどうしても「鍋をポン酢で食いたい」というものですから、各自器に取り分けた後、それぞれ味付けする方式をとりました。 ポン酢で食べたいならばポン酢で、 醤油だれがよければ醤油だれで、という具合です。
※今回ダシにから炒りした煮干を加えてみました。
さあつくねを作りましょう。 なに簡単な話です。
鶏のモモ肉を包丁で「ガタガタガタガタ」と叩いてミンチにします。 結構体力が必要ですが、根気よく叩き続けます。 鶏ひき肉を使えば簡単なのですが、せっかくのつくね鍋、それでは少し旨味不足です。 つくねは今回の主役でありますから、きちんと美味しく作ってあげたいのでした。
だいぶ叩けてきましたが、まだまだです。 もっとミンチミンチした状態に仕上げなければなりません。 手っ取り早くつくねに仕上げるならば、「フードプロセッサー」を使えば楽なものですが、包丁で叩くからこそ料理に魂が宿るというものです。 出刃包丁でガツンガツン叩きます。
努力した甲斐あって、いい具合につくねになりました。 つくねに好みで味付けをしますが、シンプルに塩、胡椒だけでも十分ですし、 卵を混ぜたり、コッテリ派にはラードを混ぜ込んだり、 パンチが欲しい方はにんにくとショウガをすりおろして入れてみたり、 ふんわりとしたつくねがよい方は豆腐を混ぜ込んでみたり、まとまりにくい時は小麦粉を混ぜてみたり、 小ネギを混たりと好き勝手にします。
※つくねを練りこむ際、粗みじんにした鶏ナンコツを混ぜると面白い食感、風味が生まれます。
つくね以外の具は長ネギだけ、と聞くとなんだか寂しい気もしますが、 これはつくねを目立たせるための処置でありまして、色々入れたければお好きなように作るのが鍋です。
それにしてもこの長ネギの仕事っぷりといえば大したもんです。 煮込んでトロトロになった時の甘さ。 サイコーです。 格好よくナナメに切っておきます。
あとは鶏がらスープを鍋に注いで火にかけて、長ネギをドッサリ入れてから次々とつくねを放り込み、ワシワシ食べるだけです。 ポン酢でも、醤油だれでもウマイものです。
つくねと長ネギだけでは、どうしても何かもの足りない、というときのオプションとして春雨を用意しておいたりもします。 春雨は前もって茹でておくと、スープの保護につながります。
鍋を堪能したあとは雑炊です。 鳥つくね鍋の残りのスープにご飯を適量いれて、好みで卵なんかを落としつつ、醤油だれで味付けをします。 これには「ポン酢派」も、思わずビックリするほどの美味い雑炊ができあがります。 わざわざこの雑炊のためだけに醤油だれをこしらえてもよい、といっても過言ではありません。
05/11/20