鰯の生姜煮はごはんのおかずとして活躍しますがそう何本も食べれるものではありません。 10尾のイワシを煮たとすれば、家族全員かかっても全てを食べきることはできないと思います(そもそも平らげる必要はありませんが)。
しかし!
つみれにしてしまえばあら不思議、わけなく完食できてしまうのでした。 団子にすることによる「口当たりの柔らかさ」「手軽さ」がモノをいうのだと思います。
まずはいわしを手開きにしてみましょう。 イワシの種類はまいわし、かたくち、うるめ、何でも結構ですので新鮮なものを好きなだけご用意ください。
いわしを流水で洗いつつ、表面のウロコを尾から頭にむかって取りのぞきましょう。 いわしは「魚偏に弱」と書くほど弱々しい魚です。 取り扱いはなるべく丁寧にお願いします。
いわしの頭をグッとつかみ、腹側へ折るとグキッと骨が折れます。 頭とつながって内蔵が出てきますので、あわせて引っ張り出してください。
腹の中を丁寧に水洗いしてから手開きに入ります。 親指を中骨にあてがい、尾のほうへ滑らせると簡単に骨と身がはなれていきます。
まるで開きのようにあらわになった中骨をつまみ、尾側へむけて引き抜きます。 面白いように身と骨がはずれていきます。 尾びれまできたら、中骨を折り取ります。
腹骨だけは包丁を用いてすきとったほうがムダがありません。 ちょうど普通の三枚おろしのように。
といいますか、今回はつみれにするわけですから、腹骨もろとも叩いてしまっても結構なのです実は。
これにて手開き完了です。 アジフライのようにこのまま衣をつけて揚げるとこれがまた旨いんですけど、 今回はつみれですから尾ビレを取り除いておいてください。
手開きのいわしを背ビレから2等分にして、薄皮をはぎます。 頭側から尾にむけてゆっくりとひっぱってください。 簡単にむけます。
身だけになったいわしをまな板の上に並べ、包丁でドカドカ叩いていきます。 まるでなめろうでも作っているかの勢いで叩きつつ、 ネギや生姜等好きな薬味を加えてください。
やけに簡単にミンチになっていくいわしを見て、「やっぱりいわしは弱いんだ」ということを再認識できます。
叩いたいわしに片栗粉を少々加えまして、よく混ぜ合わせます。 つなぎです。
今回はタレをつけて食べる予定ですので、つみれ自体に味付けはしておりません。 軽く塩を振っただけです。
つみれを適量ちぎり、170℃ぐらいの油でこんがり色づくまで揚げます。 今回はニンニクをすりおろした醤油をつけていただきましたが、 生姜醤油でも、アジ団子のようにケチャップ+タバスコでも、 豚団子鍋のようにつみれを鍋の具にしても、 何なら揚げずに茹でても、熱々でも冷めても美味しいものです。
10/08/12