「大ごちそう」といえば、長崎の卓袱料理のひとつ豚の角煮やトンポーロが浮かびます。 味にしろ、見た目にしても、これを御馳走と言わずして何をそう呼ぶのでしょう!
とやる気が沸いてきたところで今回、沖縄料理といえばゴーヤちゃんぷると共に真っ先に思い浮かぶラフテーを、
作るんです。 豚の三枚肉を煮込む、という点では作り方も角煮とおおよそ似てますが「ラフテーを作る」というそのラフテーという言葉の響きが、モロ食欲をソソルのであります。 さあ、今度の休みはラフテー作りに励みませんか!
可能ならば是非、皮付きの豚バラブロックを入手しましょう。 食感が断然違ってきます。 ムズカシイようでしたら特に皮付きでなくとも美味しくできます。 豚バラブロックを買ってきましょう。
そんな皮付きバラ肉を、大鍋に立てて入れ、水を並々と注ぎます。 なんでバラ肉を立てるのか? それは皮面を下にして茹でると、鍋の底に大切な皮がくっついてしまうからです。
ニンニク、ショウガを叩き潰して放りこみ、ネギも入れ、泡盛をドクドク並々注ぎ入れます。 泡盛が無い時は、酒でも焼酎でも構いませんが、せっかくの沖縄料理「ラフテー」なのですから、是非泡盛を用意したいところです。 さて、点火し強火で沸騰させます。
沸いたら弱火にし、グツグツ肉を煮込んでいきます。 途中でアクが浮かんでくるので、こまめにすくいとります。 強火でグラグラやると、肉が固くなってしまうのでご注意を。
煮込むこと1時間。 程よく茹であがりました。 脂が気になる方は、煮ている最中や、煮あがった後に鍋ごとよく冷まし、固まった脂をすくい取ります。 今回に限らず、豚バラを大量に煮た場合は、ビックリする程脂が鍋の表面を覆います。 これを冷え固まるまで待って、寄せ集めると、自家製のラードができます(ラードの作り方)。
茹であがった肉を取り出します。
肉が柔らかくなりすぎている場合はボロボロ崩れやすいので、ある程度煮汁の中で冷ましてから取り出します。
この茹で豚を端から切って、ポン酢で食ったらモロ良い酒の肴になりますけど、今回はラフテーを作るのです。 そんな誘惑ニモマケズ、そっと安置しておきましょう。
鍋に残る煮汁は、用無しではありません。 これから豚肉を煮込んでいく際の煮汁の、大切な基礎となります。 この煮汁を適量鍋にとり、別途出汁を引いて両者を合わせます。
肉の煮汁と出汁を合わせたところで、再び泡盛を並々と、注ぎ入れます。
はじめに入れた泡盛は、肉の臭み消しの為です。 今回入れるのは、肉に旨味を追加する為なのです! 下茹での際には泡盛を入れておいて、ここで日本酒を使うといった具合に、酒の種類を変えたほうが、味が複雑になり美味しいと思っています。
泡盛を注いだあと、ザラメと醤油を投入し、ひと煮立ちさせると醤油風味の煮汁のできあがりです。 ザラメが無い場合は、普通の砂糖だってイイですし、好みでミリンを追加したって美味しくできあがります。 とにかく甘めに仕込むこと、これがコツです。
冷ました茹で豚を、お好みの厚みに切りそろえます。 肉を崩さないよう、慎重に切ります。
切った湯で豚を、煮汁の中にやさしく入れて、フタをせずに、煮ていきます。 始めは強火で煮て、沸騰したら弱火にしてコトコト気長に煮ていきます。 アクが出たら、その都度すくいます。
煮込んでいるうちだんだん肉に煮汁が染み込んで、艶っぽくなってきます。 仕上げに黒砂糖を追加したり、醤油をひとたらしして、さらに30分ばかし煮込むとラフテーの堂々完成となります。
あぁー・・・肉が旨い。 あくる日はより一層美味しいし、残った煮汁を煮詰めておいて、器に盛ったラフテーの上からかけてもイケます。 もはや、どうやったってうまいものは旨いのです。
皮面がまたソソります。 ちょうどトンソクを醤油で煮込んだように、皮が煮汁を吸い込んでムッチムチしているのです。 かぶりつきます。
06/11/1