「角煮」 で簡単な作り方を紹介しましたが、今回はちょっと本格的です。
檀流クッキング完全再現、記念すべき第一回目のレシピは、 豚肉のご馳走の中でも王様であると檀さんは語る東坡煮に決定しました、あーワクワクする。
1、豚の三枚肉(バラ)を1kg買ってきましょう。 失敗が心配ならば4、500gでも結構です。
2、豚の三枚肉と同じくらいの大きさの鍋の中に豚バラの脂を上にしてキッチリと詰め込み、ニンニク、たまねぎを皮をむいて入れます。
3、水は豚バラ肉がひたひたに浸るぐらい入れます。 そうしないと、湯の中で肉が泳いで、身崩れをおこしますから。 酒も加えて2時間ぐらい煮ます。 煮ているうちに水が足りなくなったら、ヒタヒタになるぐらいに足します。
4、十分煮えたら、今度はどんぶりにショウガ、ニンニク、醤油、酒(みりん)を入れて、豚ばら肉の脂を下にして浸します。 よく冷ましてから行います。
5、醤油に漬け込み、十分冷ました豚バラを、鍋にラードを熱して脂身のほうを焼きます。 これは脂身にキレイな焦げ目と、醤油味をつけるために行います。
6、この作業を邱 永漢さんはまるでカラ揚げでもやるかのように行うそうです。 焼く前に十分冷ましておかないと、崩れる恐れがありますのでご注意を。
7、豚バラ肉を適当な大きさに切り、脂身を下にしてどんぶりに入れます。 その上から先ほど豚バラを茹でた際のスープと、 焼く前に漬け込んだ醤油を入れて、ネギ、ニンニク、ショウガ、水あめ、砂糖、隠し味に味噌を少々入れて蒸します。
8、食べやすいように切り分けるのは蒸す前。 蒸す時間は一時間以上です。 檀さん曰く「一日蒸したってかまいやしない」そうです。
9、十分蒸し揚げたら東坡肉の完成です。 箸でボロボロ切れるし口の中でとろける美味しさ。
以上、檀流東坡肉(トンポーロ)でした。 ぷちぐるで作った豚の角煮は最後、スープに片栗粉でトロミをつけましたが、 こちらはそのままです。 蒸した分、スープが澄んでいてショウガの香りがフワーンと漂い、また酒が止まらなくなったのですが、 見栄えがこの作り方は良く仕上がります。
理由としては、始めに茹でるときには一口サイズに切らなくて、蒸す前に切る。 というところと、 脂身部分を非常に大切にした調理法である。 と、いうところだと思います。
もちろんアレンジとして、中国野菜を添えても良いし、スープにトロミをつけても良いし、 残ったスープで鳥の手羽先なんか作ったらメチャクチャウマイというのは言うまでもありません。
ここで何故この豚の角煮が東坡肉という呼び名になったのかを少し紹介。 理由は単純。 宋代の大詩人、蘇東坡が大好きな料理だった(もしくは創作した)から。 大変な美食家だったらしい。 ちなみに竹石寒林の画を得意とし、野菜の中では筍が大好きだったそうな。
『食は広州にあり』より
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