伊丹十三さんの『 女たちよ! 』に、 スパゲッティの美味しい召し上がり方というのがありました。
即実行してみて納得。 スパゲッティといえばミートソースぐらいしか作らなかったオイに、 新しい定番が増えました。
スパゲッティの理想の茹で加減のことをアル・デンテといいます。 アル・デンテとは「歯に」という意味で、 パスタが軟くなる一歩手前の前歯で「スコッ」と噛み切るときに、まだかすかな抵抗を感じられる、という状態に茹で上げるわけです。 大量の湯に適量の塩を入れて茹であげます(スパゲッティのゆで方)。
スパゲッティを茹でるのと同時進行でソースを作ります。 茹で上げたスパゲッティは間髪おかずに食卓へ、というのが理想ですからね。 さてまずは、「トマトソースのスパゲッティ」です。
鍋にバターとオリーブオイルを半々の分量で熱し、ニンニクを加えます。
ニンニクがキツネ色になったら、みじん切りのタマネギとパセリ加え、さらに炒めます。 お好みでベーコンやワイン等足してみてください。
そこへ潰したトマトを投入します。 今回はホールトマトを使いました。
ホールトマトを入れたらすかさず月桂樹の葉一枚、塩、胡椒適量、タバスコ少量を加えてとろ火で気長に煮ていきます。 水気が飛んできたらトマトソースの完成です。
茹でたてのスパゲッティにトマトソースをかければスパゲッティ・ポモドーロ、別名ナポリタンです。 ちなみにポモドーロとは、 イタリアにおいて「黄金のリンゴ」という意味です。
※鉄製のフライパンでやるとトマトの酸で鉄が酸化してしまうので、ホーロー引きの鍋等をご使用ください。 タバスコは後でかけても結構です。 こんなトマトソースもあります
上記トマトソースにアサリを加えるだけです。 アサリのエキスが加わると、また一味違いますからね。
アサリは砂だしをしておきます。
鍋にアサリを入れ、ヒタヒタに水を注いで火にかけます。 アサリに十分火を通してから剥き身にして、 アサリの煮汁をトマトソースと絡めます。 しばらく煮つめてから、アサリの剥き身を投入すると完成です。
スパゲッティ・アレ・ヴォンゴリ完成。 イーです。
これにはなるだけ細い麺を用い、チーズはかけないほがよいと伊丹さん。
アル・デンテに茹でたスパゲッティをザルにあけ、手早く水を切ります。 すかさず空になった鍋にバターを一塊入れ、すぐさま水切りしたスパゲッティを入れます。
鍋もスパゲッティも熱いので、バターはまんべんなく行き渡ります。 これぞ蕎麦でいう「もり」のスパゲッティ・アル・ブーロです。
食べる際はバルミジャーノチーズをおろして、1人大さじ3杯ぐらい振りかけて食べます。
「ブーロ」はバターのことです。 『ヨーロッパ退屈日記』も参考にしました。
で、このアル・ブーロにトマト・ソースをかけたのが、 前述のスパゲッティ・ポモドーロ、一名スパゲッティ・ナポリターノです。 で、ポモドーロに貝のむき身を入れて、一瞬煮立てたものが、アレ・ヴォンゴレとなります。
- スパゲッティの技術は、茹であがったスパゲッティを、再び火を使わずに、 どれだけ熱いままで食卓にのせることができるか、ここにかかっているのであります。
- 〜と、まあ、それくらいの気合をもっていただかぬことには「スパゲッティの正しい調理法」はとうていお教えするわけにはいかない。 いいですか。 正しい調理法なのだ。 正しいと言う言葉は私は確信がなければ使わない。 気合が入っているのだ。
05/11/20