カミさんと二人暮らしの頃は週2ペースで食べていた「キムチ鍋」をめっきり作らなくなりました。
理由はひとつ、辛いからです。 子供ができたので、子供でも食べることのできる鍋を作らざるを得ないからです。 鶏鍋とか、豚団子鍋など。
キムチ鍋の赤をパプリカで偽装して辛くなく作ったり、鶏鍋のスープを二人分のけて、そこへキムチを放り込んで食べる、というように手段は無くもありませんが、 子供は大人が口にしているものに興味を持つものです。
そこで登場するのが今回の豆腐チゲです。 チゲとは朝鮮料理で、唐辛子風味の辛い鍋物のことです。 これを豆腐に特化して作ろうという話です。
「それじゃあ、子供食えないじゃん!」 はい食えません。 なので、一人分の小鍋仕立てで楽しむのです。 子供たちには別のご飯を作ってあげて、自分だけチゲをつつくのです。
「これはオイの酒のつまみで、食べたら辛くて大変な事になるよ」といっておくと子供たちは近づきません。
子供たちが大きくなって辛いものが食べれるようになり、いつか大鍋でチゲ鍋を作る日が来ることを思い描きながら、調理開始です。
今回、チゲはチゲでも豆腐チゲです。 どうして豆腐なのかというと、豆腐が食べたかったからです。 唐辛子風味の鍋がチゲですから、 お好みの食材でチゲるとよろしいかと思われます。 豆腐以外にオススメは、アサリチゲとかブタバラチゲ、ニラチゲです。
さてそんな豆腐一丁を、真っ二つに切り分けます。 少々大きすぎる気もしますが、今回豆腐チゲを作るわけですから豆腐がエラそうにするのは当然のことなのです。 豆腐が、「もう湯豆腐には戻りたくない!」と感激するぐらいの優遇した接待をしてあげるべきなのです個人的には。 本当は真っ二つにもしたくなかったんです。 丸ごと一丁小鍋の中にうずめて、オーストラリア先住民の聖地、ウルルばりの存在感を醸し出したかったのですがウチの小鍋じゃ半丁が精一杯だったのでした。
今回小鍋仕立てにしておりますのであまりにも色んな食材を詰め込みすぎるとガヤガヤうるさくなって、池波正太郎さんに叱られると思います。 具はせいぜい数品に留めたいところです。
小鍋に胡麻油を引いて弱火にかけます。 包丁の腹でぶっ叩いて砕いたニンニクを好きなだけ加えて、よい香りが立つまで炒めます。
美味しいチゲを作る要所ですので抜かりありませんように。
冷蔵庫にタマネギがゴロゴロしていたので急遽放り込むことにしました。 しばらく炒めます。 本来長ネギがオススメです。
キムチを好きなだけ加えて炒めます。 今回自家製ではなく貰い物の、手作りキムチです。 そのまま食べるには少々酸味がですぎていたのでチゲに放り込むことになりました。 チゲにはかえってそのほうがいいぐらいです。
キムチを大事に炒め終えたらそこへトリガラスープを注ぎこみます。 冷凍しておくとこんなときに便利なんですよね。
小鍋仕立てといえど、つまんでいるうちに汁気はみるみる減っていきます。 食事中はその都度足していきたいので、別鍋にトリガラスープを用意しておいたほうがよいものです。
コチュジャンをポイッと加えます。 底に沈んでは焦げつきますのでよく溶かしてください。
テンメンジャンも少し加えておきます。 これで旨いチゲ鍋間違いなしです。 どちらも無い場合は、赤味噌とかモロミを放り込んでみてください。
仕上げに用意しておいた豆腐をドボン、と汁に沈めて、醤油や塩で味加減をみます。 オイはもっぱら魚醤で仕上げます。
しばらく煮たら、さあ豆腐チゲのできあがりです。 家族の目をよそに、アツアツを頂きます。
※豆腐投入時の汁ハネにご注意ください。
豆腐を一口大に薄切りにし、キツネ色に炒めてからニンニク、ネギ、ごま油等で下味をつけたあいびき肉を挟みこみます。 それを茹でたネギで巻いておきます。 鍋にキムチをたっぷりと敷いて、豆腐を入れて、 ビーフストックを注ぎます。 味付けはコチュジャンでどうぞ(『海賊の宴会』より)。
10/05/13